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SANCTUARY公式ブログ "Engineering&Passion"

ゼッケン39 最後の挑戦 (その3)

レースより ストリートの方が過酷だと・・・

 

先日そんな話があると、耳にした。

 

 

 

なるほど渋滞に 長時間の高速クルージング、エトセトラ・・・

 

もちろん、ストリートにおける悪条件とて 充分理解しているが

 

レースよりストリートの方が過酷?・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

そんな訳は ないだろう。

 

 

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例えば 筑波サーキットのコース2000。

 

一周 1分を切る様なラップで 国際ライダーが真剣に勝負をしたなら

マシンに掛かる負担は、ストリートで起こる ものの比ではない・・・

 

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スロットルはワイヤーも張ち切れんばかりにと、ワイドオープン。

常時全開口キープされたキャブレターは 速流化した外気を強吸・・・

 

シフトアップし続け グングン車速が載った直後にフルブレーキング。

φ43の高剛性フロントフォークは 底付き寸前までフルストローク!

入り切ったインナーチューブは弓なりに 大きく車体側へしなって

ステムやフレームには想像以上の高負荷が掛かり、車体はきしむ・・・

 

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激しいコーナリングで左右に深くロールする中、前後のタイヤは

はじまでツブされ、そんな状態にも関わらずタコメーターの指針は

常に高回転域をキープされたまま 尚も突っ込んで行く・・・

 

空冷エンジンなら油温計で 130°超え あたり前。

ストリートの様に回転数を抑え目にして走る配慮など 一切できず。

オーバーヒートの臨界点を超えていても、容赦なく ブン回す・・・

 

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ここまでマシンに負担かける事は、ストリートでは起こり得ない。

 

そして そんなストリートとは比べ物にならぬ過酷さだからこそ

今だに多くのメーカーがレースをテストの場とし、開発に繋げる。

 

より厳しく激しい環境でテストしてこそ 意義のある行為なのだから

レースよりストリートの方が過酷とは、一体 如何なる見方なのかと

疑わざる得ない・・・

 

レースに情熱ささげる者なら、皆 そう思うだろう。

 

 

 

 

 

國川浩道は言った。

 

空冷エンジンにはマイレージがないから レースでは本当に厳しいと。

 

 

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彼がサンクチュアリーにやって来たのは、今年の3月も 半ば頃。

 

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国際ライダー 國川浩道。

 

オリジナルフレームに空冷Zのチューニングエンジンを搭載した

チーム イエローコーンの HAM STEAK-Ⅱで、見事 58秒4と言う

驚愕のコースレコードを叩き出したライダーである。

 

今まで39番のZレーサーに乗って来た上田隆仁が、今年から自身の

チームを立ち上げ ハーキュリーズクラスに参戦する事になったのだが

 

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そんな折、ある筋から話があって 國川浩道はやって来た・・・

 

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初めて見る A16R Zレーサー3号機。

 

まだ骨格段階ではあるが、実際にまたがって貰い フィーリングを

確認してもらう・・・

 

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シングルシート座面の位置とステップ、そしてタンクの形状など

一瞬たりとも気を抜かずに全力疾走し続けるレースでは、まさに

刹那の瞬間、本能的に感じたレベルの違和感ですらタイムに大きく

影響するから ライダーにとってマシンのポジションは重要な要素。

 

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お構いなしでマシンに身を被せるから、タンクのニーグリップ部

エッジラインは なるべく痛みを憶えないものが望ましい・・・

 

すなわちタンク形状が マシンの操縦性に大きく影響を及ぼす訳で

今この段階で既に いくつかの修正テーマが決まる。

 

ライダーが ひたすらレースに没頭できるマシンに仕上げる事・・・

見方を変えれば この辺りはストリートも同じで、如何に乗り手と

メカニックとの人間関係の中で マシンを最適に仕上げられるか・・・

 

この点だけはレースもストリートも 同じであると言えるだろう。

 

 

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やがて 國川浩道は

 

どんなレースであろうと やるからには命を懸けて走ると語り・・・

 

同時に、限界走行を強いられた空冷エンジンの 故障リスクと言う

ものが 如何に深刻であるかを懸念しており・・・

レースが想像以上に過酷で厳しい世界である事かを 辛辣に語った。

 

 

 

A16R Zレーサー3号機で、空冷最強・最速 スーパーモンスター

エヴォリューションクラスに臨む 國川浩道・・・

 

 

 

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しかしながらマシンの製作は まだまだ途上にあり、残念ながら

この5月の大会には間に合わず。

 

 

最後に彼は 強く・・・

 

 

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「間に合うなら 走りたい・・・      走りたいです!」

 

屈託のない 熱意あるライダーがすぐ横にいて、期待に応える事が

出来なかった事に、いささか胸の痛みを覚える・・・

 

 

間に合わせる事が出来ないとは、全くもって 不甲斐ない・・・

 

そんな情けない気持ちになりながらも、一方で

 

メラメラと、新たな闘志も湧きおこった。

 

 

 

11月の大会目指し 今年の初夏には3号機をシェイクダウンさせる!

 

過酷さ極まりない、レースと言う極限での走りでも 耐えうるマシンに

仕上げて、ゼッケン39最後の挑戦に 相応しいレースとして臨もう。

 

最強・最速のプライドを掛けて。

 

 

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