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SANCTUARY公式ブログ "Engineering&Passion"

ゼッケン39 最後の挑戦 (その4)

サンクチュアリーの日々の業務は、休むことなく 一年を通じて

とにかく過密、激務である。

 

江戸川区時代から ずっと変わらないが、柏に来てからと言うもの

それは更に倍加していて・・・

充実していると言えばそうかも知れないが、それにしても毎日が

目まぐるしいと言わざる得ない・・・

 

だからレーサーとは、息せき切りながらの対峙となる。

 

 

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誠太郎がフレームの製作に掛かりきりだから、やむを得ないのだが

何の因果か、自分がエンジンを担当する事になってしまった・・・

 

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やらなきゃならんと 決まったからには、もちろん真剣に取り組む。

やり甲斐ある事でもあるのだから・・・

 

とは言え、正月休みを返上してまで 作業するしか時間が作れない

そんな現実・・・

 

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当然 可能な限り、誠太郎にも手伝って貰うのだが・・・

 

特別な仕様のエンジンを丸々組む事自体、我が愛機 001以来の

事であり、ぶっちゃけ 社長業と事務に追われまくられる毎日だから

おのずと休みが犠牲になってしまう・・・

 

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だが・・・

ここ サンクチュアリーでレースを任された男達は、言わずもがな

皆が そうであった・・・

 

休みがどうこうと、損得勘定が気になるなら とうてい無理な事。

情熱なければ そもそも資格はないのだから・・・

 

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レーサーのエンジンとして クランクケースの不要部位を切り落とし

軽量化を図った・・・

 

アルミの場合、削り取った労力の割に それほど軽くならない・・・

 

見返り少ないのが残念であるが、わずか数グラム単位の積み重ねを

軽視しないのが サンクチュアリーのレーサーであるから、この後も

地道に肉抜きを進めて行く。

 

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3号機では、空冷GPz1100のクランクを採用する事にした。

 

クランクピン径が大径化され、かつ ウエイトが軽量形状であり

コンロッド小端部が従来の φ17からφ18へと拡大されている。

 

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クランクシャフトは 一端全て分解し、ウェイトは菊地に任せて

鏡面加工・・・

4つのコンロッドは重量バランスを揃えるべく、工場で加工する。

 

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ザラついたコンロッド表面を 平たく慣らしながら、同時に重量を

統一させるのだが、磨きながら合わせるから 以外に時間の掛かる

作業だ・・・

 

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ただ全体重量を 揃えれば良いと言う訳ではない・・・

 

1万回転超のストロ-クで ピストンとクランクシャフトを繋げ

高負荷の渦中にさらされるメンバーだから、小端部と大端部の

上下別に重量あわせて 初めて運動ムラは消える。

 

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コンロッドはそれ位 過酷な条件下にあるパーツである・・・

 

鏡面研磨とフルバランスを終えた後、WPC処理を施して完成。

 

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あとはパートナーである ダイヤモンドエンジニアリングにより

新品のクランクベアリングを用いて 精密に組み立てるだけ。

 

その道 数十年と言う、熟練の専門職人の手にゆだねた・・・

 

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クランクシャフト一つ 完成させるだけでも、相当な時間を要する。

 

それほど手を加える必要があるのかと言えば、答えは「ある」だ・・・

決して過剰ではない。

 

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ほんの わずかばかりの効果であっても、全てチェックマークを

つけて進む・・・               それが レーサーのエンジン・・・

少なくともTOTの 空冷最速クラスに臨むのなら、必須科目だ。

 

日常業務の2倍・・・

 

いや、 3倍以上の時間を労する 執拗なメニューである。

 

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レーサーと取り組み合えば、予想以上に時間を失うのは確かな事。

 

本来行うべき、通常業務に差しさわりが出る・・・

 

すると結果、お客さん達から受けた仕事に影響し 納車が遅れる。

あわせて会社の財務も悪化・・・

 

レースさえやらなければ健全だったのに・・・ と言う 本末転倒な

事態に陥る事が、実際 ほとんどだろう。

 

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が しかし、我々カスタムチューニング業者にとってレース活動は

重要な情報と経験値を得る為の 大切な源泉である。

 

通常業務のノウハウへと転化される事なのだから、その活動とて

なくてはならない 行為・・・

 

では一体、どうすれば良いのか・・・

 

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答えは 簡単

 

どちらも見事 こなしてみせれば良い。

 

レースをやると 日常の仕事に悪影響が出るから、あきらめる・・・

そんな概念、根底から覆すべきなのだ。

 

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お客さん達から依頼された仕事は もちろん、犠牲にしない・・・

これは絶対である。

 

そしてそこを、絶対順守しながらレースに臨む・・・

 

ここを乗り越えられる事が出来なければ レースは一生できない。

あるいはレースをやり続け 最後は破滅するかのどちらかだろう。

 

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二兎追うもの 一兎を得ずとは言うが、何としても両立させる事を

目指して この3年間、サンクチュアリー本店は体制を築いて来た。

 

現在の柏本店は完全にそこに照準をおいたものであり、何としても

成し得て見せると言う 気概で取り組んで来たのだ。

 

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言うは易しではなく、必ず実現させてみせると・・・

 

皆がそれぞれに役割を果たし、一つ進化した体制を築くのである。

 

 

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正義なき力は悪なり・・・   が また、力なき正義もまた悪なり。

 

昨年イタリア出張の際に ふと思い起こした、かの極真空手の始祖

故大山倍達氏の名言が ふたたび頭をよぎる・・・

 

一バイク好きのメカとして、仕事とレースのどちらも損なわない。

一企業として、どちらも両立する事ができる強靭な会社体力を持つ。

 

いつの日かではない・・・

 

業界に残された時間は あと わずかなのだから、今すぐにである。

 

 

 

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