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シリアルナンバー 39の挑戦(笑)
2019.11.29
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
つい先日・・・
とある お客様が、ご来店・・・
シリアルナンバー RCM-039 Z‐1の、Bさんでしたっ!
このBさん、江戸川区時代からのお客様で RCM-039の
シリアルナンバーに拘った 昔からの常連さん!
2000年台前半に製作してから 早や10数年の年月が経過して
おり、今の技術と仕様でしっかりリメイクしたいとの事で・・・
Bさんのご指名は 本店工場長 & レース部門リーダーでもある
鈴木誠太郎。
ちなみにタイトル終わりに付いてる(笑)は、つけようかどうか
まじめに悩んだんですが、スピードショップイトウのアキオが
ゼッケン39~ を もじったブログをやっていたんで、それを更に
パクりました。
でも Bさん、(笑)は 取ろうよ! と言ってくるかも・・・ (^^;)
う~~~~む
ARA‐BULLポイントカバーが、主張を放ってますね~・・・
ヘッドカバーを外すと
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
カムが入ってました・・・
あたりまえです。
いやいや マジメな話、ヘッドカバーガスケットの色が懐かしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
え~~~~と
何か 気に入らない事でも・・・ ( ̄▽ ̄;)
なるほど、このオイルバイパスが気になってたんですか!
Z系は外のシリンダースタッドをオイルラインにして ヘッドに
オイルを上げているんですけど、この039では 10数年前
当時サンクチュアリーで少し流行った(少し)オイルバイパスを
付けており、これをどうするかで しばらく悩んでおりました・・・
まぁ~ ぶっちゃけ このオイルバイパス、そもそも中村が30年も
昔に我が愛機RCM-001に取り付けた事から 2000年台の
初頭に流行った加工で、今となっては まるでメリットなし! との
事で、もう誰もやらなくなった・・・ と 言うもの (;^_^A
・・・・・・・・・・・・・・・。
取ろう もう取ろう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ちょっと
なんか 重いってばよ! Σ( ̄□ ̄|||)
シリアルナンバー39の挑戦(笑)
次回がいつになるか、誰にもわかりません。
= お知らせ =
(その1)
12月8日(日) 大黒にて、ROCプチミーティングやるとの事です。
詳しくは掲示板をご覧くださいね!
(その2)
誠に勝手ながら12月1日(日)は、イベントの為 お休みとなります。
翌2日(月)より通常営業しておりますので、よろしくお願い致します。
From USA! RCM-500 KATANA (Part-5)
2019.11.28
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
Hello Everyone! I am Nakamura, representative director of Sanctuary’s headquarters.
ラスベガス在住 Mr.Diazからお預かりした GSX1000Sカタナ(Part-5)です!
This is GSX1000S Katana (Part-5) shipped from Mr. A Diaz in Las Vegas!
エンジンがガンコート塗装され 戻って来ました。
The engine came back to us, gun-kote painted.
元々GSX1000Sのエンジンはシルバーでしたが 今回はブラックにして
イメチェンしております!
The color of the GSX1000S engine was originally silver, but we changed to a black color to give it a brand new look!
クランクシャフトはGSX1000Sのものに変更・・・
Changed the crankshaft to a GSX1100S one...
ダメージが酷かったジェネレーター取り付け部も これで改善!
This fixed the badly damaged attaching part of the generator as well!
-thumb-437x291-67095.jpg)
クランクシャフトの交換により エンド部のサイズも変わった為
スターターのギヤ系も変更しました。
The crankshaft changed and so was the size of the end, so we also changed the starter gear.
ちなみにトランスミッションも ご覧の様に酷い状態でしたので・・・
And as shown here, the transmission was in a very bad condition by the way...
ここも丸ごと GSX1100Sのものに変更。
So it was also entirely changed to a GSX1100S one.
最初の状態が予想よりも悪かったので、今回のオーバーホールで
かなり良い状態になっていると思います!
The condition when we started working on it, was worse than imagined, so with this overhaul, we think it is far better now!
ピストンはNOBLESTが輸入取り扱いする ドイツWossner製ですが
GSX1000Sのシリンダースリーブは肉厚が薄かった為 外径の大きい
スリーブを製作しボーリング加工。
The piston is Wossner-made from Germany, a brand that NOBLEST imports and deals with The thickness of the GSX1000S cylinder sleeve is thin, so we made a sleeve with a large outer diameter, and went through the process of boring
更に低摩擦で熱対策に優れる パルホスM処理をスリーブに施しました。
We also applied a Palphos M treatment on the sleeve, which is effective for low friction and against heat.
シリンダーヘッドもバルブ回りをオーバーホールして組み付け
残すはカムシャフトの取り付けのみです。
(13) The cylinder head also went through an overhaul around the valves, then assembled, and all is left now, is to attach the camshaft.
そんな折、ラスベガスから Mr.Diazが来られました!!
And this is when Mr. A Diaz from Las Vegas came to visit!!
To Be Continued
= お知らせ =
誠に勝手ながら12月1日(日)は、イベントの為 お休みとなります。
翌2日(月)より通常営業しておりますので、よろしくお願い致します。
RCM-442 Z‐1 大幅リメイク敢行中!(その6)
2019.11.26
こんばんは。
あえなく毎日更新に挫折した、サンクチュアリー本店 中村です。
師走も近づく 今日この頃ですが、只今サンクチュアリー本店は
とんでもなく暴力的な量の仕事に 業務がパンクしておりまして
中村自らメカニックとして出陣する出番も多くなり、油にまみれ
ながら「やむなく犠牲にできるのが 唯一ブログ?」と言う・・・
言い訳を致します・・・ ( ̄▽ ̄;)
またいつもの更新ペースに戻る事、お許しを(苦笑)
東京都在住 D・I さんの RCM-442 Z‐1、大幅リメイク
(その6)です!
コウガ店の6速クロスミッション&エヴォシステムを組み付けるに
あたり、腰下の組み立てに取り組んでいた佐々木でしたが、ここで
一部パーツが足りていない事に気が付き、一時作業中断・・・
パーツ入荷を待っている時間が惜しい! との事から、変則的ですが
急遽、腰上から組み始める作戦に切り替えました。
ミッションを抜いた状態で 暫定ですが上下クランクケースを合わせ
NOBLESTが輸入取り扱いする イタリア流通ヴォスナーピストンを
組み付けます。
先のレース、久々スーパーモンスターエヴォクラスへの復帰参戦で
よくわかったのですが、大型ピストンの首振りは深刻な問題であると
言う事・・・
シリンダークリアランスマージンを 広めに設定しなければならない
ものだと、殊更 首振りはあからさまに起こりますから、ヴォスナー
イタリア支社長オノスクーリ氏が 強い口調で警告していた言葉・・・
「スカートは ある程度の長さを必要とするのだ!」 を、今更ながら
しみじみ思い出します。
このピストンの魅力は 最低限必要なスカート長を確保している事。
それでいながら 細部に工夫された軽量化を施し、耐久性を損なう事
なく、高回転までストレスなく回る設計になっている事・・・
大きく盛り上がったトップボリュームにより 容易に高圧縮な仕様に
出来る事など、沢山の思想が設計に反映されているんです。
初期出荷のモリブデンコートを剥すのは もったいないと思いつつも
おなじみ WPC処理を施して・・・
更にシリンダーライナーには、パルホスM処理を施しています。
WPCもパルホスも、最近はこの表面処理をリクエストされて来る
方が随分と増えました・・・
低フリクション化による発熱対策は もちろん、金属摩耗の進行も
抑制できますから、同じ仕様でも耐久性が格段に違う・・・
エンジンを組んでしまうと、後から簡単に追加できる類のものでは
ないですから、オーバーホール時 一緒にと希望される方が多いのは
わかる気がします。
このRCM-442 Z1は 最初の製作から時間は経っているものの
距離はまだそれほど刻まれておらず、タイミングパーツ系は状態が
良い事から再使用する事に・・・
サンクチュアリーオリジナルの テンショナーアイドラーKITは
17丁ではなく、ノーマルのゴムローラーと同等直径の15丁を
用いたもので、カムを組み付ける際にカムチェ-ンに必要な弛みを
きちんと設けた構造にしてある、実は意外な優れもの・・・
アイドラー本体の経年変化も極めて少なく また軽量である事から
カムチェーンに負担の少ない、隠れたヒット製品なんです ♪
要となるシリンダーヘッドも 全て準備完了!
大丈夫・・・
このヘッドには、プラグ穴のダメダメヘリサートや クラックなど
一切ありませんから (^^;)
バルブガイドは おなじみ、焼結合金製のオーバーサイズもので
入れ替えしました・・・
最初の製作時にも同じ作業を施しておりましたが、ポート研磨を
行う都合から 一度ガイドを抜く必要があり、一旦抜いたガイドは
基本そのまま再使用しないので 下穴を新たに弱オーバーサイズに
ホーニングで広げ 新しいガイドを製作して圧入したと言う訳です。
PAMS製 ビッグバルブに合わせて 大型のシートリングに変更。
こう言った吸排気の充填効率を上げる手法は、高圧縮化や排気量の
アップに比べてエンジンに掛かる負担が少なく、熱損失でのロスも
比較的少ないですから お勧めのメニュー・・・
どの道 シートカット等は都度必要な作業ですから、一緒にやるのは
能率良いとも言えるでしょう (^^)/
こだわりの ツインプラグ化。
何があろうと、このツインプラグだけは外せないメニュー・・・
ツインプラグって そんなに大切なの? と、思われてる皆さん。
ツインプラグこそが 何より一番大切です。
動弁系はPAMS製バルブスプリングに、インナーシム専用純正
リテーナーの組み合わせ・・・
タペットは圧抜き穴を設けWPC処理した サンクチュアリー製で
徹底した軽量パッケージではないものの 使用するカムがST‐1で
ある事から 充分追従性に重点を置いた内容であると判断しました。
この後ヘッドに組み込んで、いよいよシリンダーに搭載します!
D・Iさ~んっ!
次回はエンジンだけでなく、お待ちかねの外装カラーリングを
ご披露しちゃおうかと思うので、楽しみにしてて下さいね~っ!
3号機のエンジン、その後・・・
2019.11.22
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
先日のテイストオブツクバから 早や10日以上が経ちました・・・
レース当日は58秒台ラップと言う壮絶な展開で、見てるこっちは
も~~ やきもきしっぱなし・・・(;^ ^A
特にエンジンは向こう見ずにも空冷Zで 水冷ハイパワー勢を相手に
ガンガン行ってるもんだから、それこそ 冷や汗ものだったんです。
そんなハーキュリーズ&スーパーモンエヴォの ハイレベルなレース
決勝で、最後の1~2ラップ マフラーから煙が出始めたのを見ており
レースの翌日 早速3号機のエンジンを下ろしました・・・
合間を見て エンジンを分解。
あの煙・・・ 白煙だったから 燃焼室にオイルが入ってるはず。
よくぞブローせずに持ってくれたと褒め讃えつつ、患っている所は
一体どこよと、恐る 恐る・・・
まずはカムシャフト・・・
白煙吐きとは無関係な部分ですが、少し前にカムのジャーナル部を
目いっぱいカジっていたので、正直 ずっと心配していました・・・
でも結果は 見事にきれいで、ホッと一安心 ♪
ヘッドに上がっているオイルも潤沢で、油膜もバッチリ効いていて
とても良い状態でしたよ! (^^)v
さぁ、 やばいとしたら この辺でしょう。
白煙を見て 一瞬、デトネーション!?
あぁ~ やばい! ま~た やっちゃったか? なんて 思わず
ちょっとだけ 恥ずかしくなったんですが・・・ ( ̄▽ ̄;)ハハッ
ピストンは4気筒とも、全くそんな気配なし・・・
て ゆーか、 むしろ 綺麗!?
ケース内圧が かなり高かったし、減圧コントロールバルブの類を
付けてなかったからシリンダークリアランスが広がった所に張力が
落ちたピストンリングを超えて 内圧ガスが燃焼室に混入したか?
なんて 思ったりもしたんですけど、 シリンダーを測定してみれば
元々 0.08~0.09で精密ボーリングした数値に 大きな変化はなし。
いやむしろ、至って健全 健康な状態でして・・・
ピストンスカートも、いや~ 素晴らしい!ってな位 良いあたりが
出ていて、気になる傷も一切なく 最高のコンディションでした。
じゃ~ 一体 何よ? って、 頭をひねっていたんですが・・・
インテーク側 バルブステムにオイルべったりで、う~~~む・・・
どうも バルブガイドからのオイル下がりが、臭い???
この3個目のシリンダーヘッドも レースウィーク突入前に慌てて
急遽 間に合わせたもので、バルブは元々ついてた中古を使い回し
当然 バルブガイドなんて打ち換える事なく、そのまま使ったから
高負荷の掛かる走行の連続で ガイドの圧入が緩んだか 動いたかで
オイル下がりを起こしたかと思われます・・・
まぁ この後は時間がたっぷりある事だし、原因と思われるヘッドの
状態を 慌てずゆっくり解明して行きましょう。
ところで今回のエンジン、先ずは147馬力と言う 舞台に上がる事が
できる最低限のスペックに辿り着いたのですが、それを裏で支える
存在のパーツもありました・・・
分解し 点検して、よし!・・・ よかった 問題なし!
これを組んでからは全開走行を続けても、常に油温は110°~120°の
間で安定してたから 結果は良好 ♪
レース終了後にエンジンを早々分解したのは、このオイルポンプの
状態を確認するのが目的でもあったんです。
これは10月末頃の画像・・・
満を持して このポンプが縁の下の力持ちになる事を信じ、組み込み。
決勝まで残す所 一週間と言う大事な時に 製品のテストを行うのは
どうなの? と 思われるかも知れませんが、オイルポンプの様な重要
循環系パーツこそ ストリートのテストだけで販売してしまう事に
正直 疑問を持ちます・・・
大手2輪メーカーがそうである様に、限界ギリギリ条件のレースで
テストしてこそ 真の結果が得られると考えてましたから、ここは
如何にシビアなタイミングとてテストすべき! と、判断しました。
むしろ こう言う製品の性能テストが出来るからこそのレースであると
思ってますし、それも 超ハイレベルなレースを行っている事の意義、
自分達ならではの優位性だとも捉えています。
それにしてもこのトロコイドローターポンプは本当に素晴らしい!
油圧はノーマルとの比較で およそ5倍以上と、文句なしの性能!
前にも少しお話しましたが、このZ用トロコイドローターポンプは
かのYRPレーシング 故山幡氏が製作販売をしていたもので、実は
このポンプ、その復刻版なんです。
山幡代表は このZ用トロコイドポンプで実用新案を取得しており
私達サンクチュアリーがそのライセンス使用に関して正式に許可を
頂き 復活させたもの・・・
無断に製作し 販売しようとしてる様な行為では 決してありません。
ただ、若干改良は加えました。
例えばこの ポンプボディとストレーナーボディとのオイル通路
合わせ面にOリングを入れる構造にしたりとか・・・
最も拘ったのが、このポンプギヤのピン径・・・
ご損じな方も多いと思いますが、Z1やMK‐Ⅱなど 前期型のZでは
このポンプギヤピンの径が3mmなんですけど、J/R系以降の後期
Zでは ピン径が4mmに太く対策されている・・・
Zレーサー1号機で3mmのピンを使用していたら、いつの間にか
ピンがボロボロになってて「なるほど、これが4mmに対策された
理由か!」 と、しみじみ思わされた経験がありました・・・
故に今回のポンプでは、この4mmピンと専用ギヤをセットにして
ご提供できる様に進めているんです。
1号機、2号機・・・ そして今回の3号機と・・・
いずれもレースと言う厳しい世界の中で 純粋に速さを追求して
来ましたが、同時に製品のテストと その製品の性能による恩恵を
受けて成り立っているんだと、改めて強く感じさせられました。
レースの水準が高く、過酷であればあるほど それはより一層で
競技と製品開発とは 常に一心同体・二人三脚なのだなと、そう
思わされます・・・
大手メーカーは空冷エンジンなんて もう見向きもしないでしょう。
でも自分達零細企業は まだしぶとく、あきらめておりません (^^;)
レースフィードバック・・・
正しく この言葉に尽きると思います。
それにしても 今回のレース・・・
シリンダーヘッドに始まり、シリンダーヘッドで終わったなと・・・
恐るべしはヘッドではなく、オークションかな!? (-_-;)
From USA! RCM-500 KATANA (Part-4)
2019.11.21
こんにちは! サンクチュアリー本店の中村です。
Hello Everyone! I am Nakamura, representative director of Sanctuary’s headquarters.
ラスベガス在住の Mr.Diazからお預かりした、GSX1000Sカタナ
(Part‐4)です!
This is GSX1000S Katana (Part-4) shipped from Mr. A Diaz in Las Vegas!
更新がだいぶ ご無沙汰になっていた、RCM‐500 カタナ・・・
RCM-500 Katana ...Model update has not been implemented for a long time.
エンジンをガンコート塗装に出す前に 破損したネジ穴や折れたフィンの
修正を行っておきます。
Will fix damaged screw holes and broken fins before putting the engine into Gun-Kote painting.
-thumb-437x291-66954.jpg)
溶接で肉盛りし 成形して終了 ♪
Weld overlay by welding and finish molding. ♪
古いオートバイではよくある事なんですが、きちんと直せば元通り!
As is often the case with older motorcycles, but if you fix it properly, it will be restored as it was!
これでエンジンをガンコート塗装に出せるので、いよいよフレームを
着手する事に!
Now that the engine is ready for Gun-Kote painting, it’s time to start the frame!
大掛かりなのはシートレールの加工で、たぶん大変です(苦笑)
The biggest issue is the processing of the seat rail, which is probably tough (a bitter laugh)
タンクはビーター製のアルミタンクを使用。
The tank uses an aluminum tank made by the Beater.
全体像が見えないと進まないので、まずはタンクを載せて・・・
Since you can't proceed without seeing the whole picture, first put a tank ...
最も大掛かりな加工が必要になるであろうシングルシートを、暫定ですが
載せてみました!
First of all, we tried to put the single sheet that would need the most processing!
まだ大体のシルエットしか見えませんが カッコよくなりそうな予感!
We can only see a rough silhouette yet, but it feel like becoming really cool!
ラスベガスの Mr. Diaz!
これからまたブログ&フェイスブックでお見せしますので、お楽しみに~!
Mr. Diaz in Las Vegas! We'll show you the proceeding some more on our blog and Facebook from now on, so stay tuned!
To Be Continued
コウガ店へ!RCM-512 Z1‐R!
2019.11.19
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
毎日ブログ更新しております。
どこまで続くか わかりませんが・・・ (^^ゞ
さて表題にある通り、このRCM-512 Z1‐Rは コウガ店に
納車されます。
お客様は最初、現在ホームページでご紹介している セパハン仕様の
RCM-504 Z1‐Rを購入希望されてたんですが、アップハンが
いい!との事で、504をアップハンに直すのなら 今もう一台製作
してる この512をベースにした方が良いと言う事になり・・・
現在製作中と 近日ご紹介する予定だった RCM-512でしたが
先行にて売約済み!と なりまして・・・
で、それならまだ進んでいない外装のカラーリングは 好みの仕様で
やりますよ!と言う感じになり、リアサスも今付いてるレジェンド
ツインから ブラックラインへ変更する事に (^^)/
既に50%ほど 出来上がっていたので、残りは1ヵ月も頂ければ
完成する見通しで、担当は湯浅と中村のコンビです!
今取り付けられてるスイングアームは 転がし用の仮組みでしたが
SCULPTURE製スイングアームが やっと出来上がったので
リアサスマウントとトルクロッドマウントを溶接・・・
その間に ハンドルやライト回りなど、細かなパーツの取り付けを
進めます。
中村は ブロックピーススタビライザーの溶接に移行・・・
もう20年も昔の事ですが、立入に溶接を教えたのは自分ですから
ここは師として 負けられないところ (^^;)
RCM Z1‐Rの場合、シートロックのリプロ品が 出ていない為
リビルドしたものに変更しています。
また更に、メインスイッチやハンドルロック等と 同じキーになる様
シリンダーを組み替えて統一してあげるのが ささやかな部分ですが
製作する上で拘っている点でもあります ♪
スタビ溶接 完了。
ピシッとシャープ、それでいてマッチョなアームになりましたよ!
この後 ブラックコーティングの工程へと旅立ちますので、少しの
間だけ お預けです・・・
ひとまず仮組みだったホイールも、イタリア O・Zレーシング
アルミ鍛造GASS RS-Aに 交換する準備が出来ました ♪
そしておなじみの RCMシリアルプレート・・・
ジュラルミン削り出しで製作した プレートホルダーに打ち付けて
同じくワンオフしたメーターブラケットに 固定できる箇所が
あるので、そこに取り付けます。
こんな感じで!
RCM-504と同じ仕様の純正流用、液晶デジタルメーターの
下に 脱着式のシリアルプレートが取り付けされました。
外装は現在 ご指定の色でペイントが進行中!
エンジンは既にガンコートが上がっているので、この後は精密
内燃機加工に入ります・・・
12月の上旬からエンジン組み立て開始するので、車両の完成は
10日頃と言う感じでしょうか! (^^)v
師走も近づく 慌ただしい時期となりますが、コウガ店のお客様!
楽しみにお待ち下さいね~!!
RCM-442 Z‐1 大幅リメイク敢行中!(その5)
2019.11.18
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
毎日 ブログ更新!・・・(苦笑)
東京都在住 D・I さんの RCM-442 Z‐1、大幅リメイク
(その5)です!
だいぶご無沙汰になっておりました、RCMー442 Z‐1・・・
担当メカの佐々木が 3号機レーサーのピットクルーになった事で
だいぶ時間が奪われましたが、レース活動中も合間を見つけては
作業を進めておりました。
今回の大幅リメイクはエンジンだけでなく、シャシーも特別な
仕様になる予定で、スイングアームにブロックピースタイプの
スタビライザーを溶接中・・・
左右削り出しのブラケットを7N01リブ角パイプで繋ぐスタビで
スイングアームを筋肉質感のある剛性メンバーに アップグレード!
これだけはボルトオンで実現できる メニューではありませんから
これぞワンオフ!の代名詞とも言える 趣深い造形美ですよね (^^)v
さて 今回主役のエンジン部門ですが、ようやく全てのパーツが
揃ったので、いよいよ組み立てを開始!
一度全分解をして 鏡面ポリッシュを施したクランクシャフトは
ベアリングを新品に交換し、狂ってしまった位相を正確に修正した
フルリビルドクランク・・・
全分解した際にコンロッドも重量バランスを取り、鏡面ポリッシュ
加工した後にWPC処理を施しました。
Zレーサー3号機と同じグレーのコンロッドが、耐久強度の向上と
フリクションロス低減の機能を感じさせて、実にそそります・・・
続いては サンクチュアリーコウガ店から、ようやく納品された
6速クロスミッション!
今回はホント、来るのに時間かかりました・・・ ( ̄▽ ̄;)オソッ
先のTOTでは 國川浩道選手のライディングで、水冷最強・最速
ハーキュリーズマシンと混走で戦った Zレーサー3号機・・・
160~190馬力と言う 水冷・油冷マシン達に囲まれて ストレートで
劣る空冷Zが車速を少しでも稼ぐ為に このクロスレシオミッションは
非常に有効で、もはや欠かせない存在だったんです・・・
コウガ店では ストリートでの実走テストは行っていても、極限状態と
なるレースでのテストを行ってなかったので、Zレーサー3号機での
今回の6速クロスのテスト結果は きちんと伝えておきました・・・
もちろん結果は、とても良いものでしたので!
オフセットスプロケット要らずの ロングアウトプットシャフト
エヴォシステムと6速クロスのコンビネーション・・・
これもまた Zレーサー3号機でテストしましたが、後軸147馬力
エンジンで58秒6と言う、限界に近い走りでも 全くビクともせず!
「これ以上厳しい条件はないでしょう」と言うシチュエーションの
走行結果ですから、コウガ店の立入も喜んでいましたね (^_-)-☆
(大丈夫なのかな)と、心のどこかでちょっぴり 引っかかりがある
ものも、極限に激しく 厳しいレースで万全の結果を残せば 一転して
一気に信頼に変わるもの・・・
このコウガ店の6速エヴォシステムは 自信を持ってお勧めできます!
と・・・ 別に 立入に頼まれた訳じゃないですからね ( ̄▽ ̄)
シフトドラムをケースに固定するボルトを 若干オーバーサイズの
寸法で製作しました。
材質は機械構造用炭素鋼S45Cで、もちろん焼き入れ処理済み。
レースでは激しいシフト操作が繰り返される為、シフトドラムの
わずかなガタも ギヤ抜けの要因となるもの・・・
コンマ台の寸法と 強度に拘ったもので、このRCM-442にも
採用しました。
ミッションと、それに関連するパーツは全て WPC処理済み。
クランクケースに収納し、これからもう一つ 大切な作業である
精密シムによるギヤの配置調整、通称ドッククリアランス調整を
行います。
D・I さ~んっ!
空冷Z系RCMオーナーとして 3号機のレースを応援して頂き
ありがとうございました~!
今度はRCMー442の番ですから、楽しみにして下さいね~!
= お知らせ =
RCMオーナーズクラブ ROC 年内最後ツーリングのお知らせが
ホームページのROC掲示板に発表されております!
11月24日 長野方面で、ゆっくり目に集まって 早目に解散との
事ですので、ご都合良い方はぜひ ご参加されて下さい!
掲示板には ご自身のRCMシリアルナンバーとパスワードの入力で
簡単に入る事ができます。
パスワードは本店の佐藤に「掲示板パスワード下さい」と メール
頂ければすぐに送りますので、ぜひご利用してみて下さいね (^^)/
K・Tさんの RCM-550 MK‐Ⅱです!
2019.11.17
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
10月後半から少し前にかけ、レース活動や そのブログに追われて
現在製作中のRCMを中々ご紹介できず、申し訳ありませんでした。
10月の半ば位までは そうでもなかったんですけど、レースまで
1ヵ月を切ったあたりから エンジン分解組み立てが連日に渡り続き
どうにもならない状況になりまして、製作ブログを楽しみにされて
いた方々には この場をかりてお詫び致します <(_ _)>
さて
レースとそのブログも終わりましたので、いつもの製作記ブログを
再開したいと思います!
これから暫くは 毎日・・・
いや、最低でも2日に一回は更新してくつもりなので、皆さんぜひ
見て頂ければ (^^)/
本日は 神奈川県在住、K・Tさんの RCM-550 MK‐Ⅱです!
のっけから いきなりの展開ですが、レーザー測定&ストレッチが
終わったフレームに、おなじみレイダウン治具の取り付け・・・
治具を使ってシートレールに穴を開けるのが、正確かつ精度の
高いレイダウン加工になります。
左右で誤差 コンマ数mmならともかく、位置が1mm~2mmも
違っていたら やり直したくなるだろうし、その際また全分解する
はめになるから、こういう作業は なるべく最初にキッチリ精度で
やっておくべきかと・・・
溶接も治具で固定したまま・・・
ここまでやって 始めて、きちんとした仕上がりになりますんで
治具なしでは成り立たない加工なんです。
きちんと加工してあげれば、やり直しなど不要の出来栄えに・・・
ぶっちゃけ、このレイダウンのやり直し作業ってのが たま~に
ありまして、これがまた結構大変な作業なんで 最初からちゃんと
やっておいて欲しいんですわ (^^;)
サンクチュアリーオリジナル STAGE-Ⅱフレーム補強も 施し
ドライブチェーンオフセット軌道の インライン処理も完了!
これにて無事、パウダーコーティング工程へと送られました。
数日後・・・
近日フレームが戻って来るとの事で、シャシーパーツの準備を
進めておきます。
RCMコンセプトディスクのフローティングピンを組み立てて。
ホイールはイタリア O・Zレーシングのアルミ鍛造 6本スポーク
GASS RS-A!
タイヤを組み付け、バランス調整まで済ませて 段取り完了!
フレームが戻って来たので、前後シャシーパーツを組み付けます。
もちろん、“魂” の注入も忘れておりませんよ・・・
足回りパーツは ほぼ全て揃っておりましたので、一つひとつを
丹念に組み付けて行きます。
その後も順調に作業は進みましたが この頃からレースが佳境に
入り、中村もブログ画像があまり撮れなくなって来まして・・・
それでも皆さんの作業を遅らせる訳には行きませんから、レースと
同時進行で 通常業務もしっかり行っていたら・・・
すみません、 既にここまで完成しております・・・(汗)
完成してすみませんと言うのも変ですが、すみません (- -;)
K・Tさ~んっ!
細かいプロセスをお見せ出来なかったのは残念ですが、マシンは
間もなく完成で、12月上旬にはお渡し出来ると思いますっ!
まだ慣らし運転ですが、1月~2月の 寒さがより一層厳しくなる
前に ぜひ乗って下さいね~!!
ゼッケン39 最後の挑戦 (番外編)
2019.11.17
先日のテイストオブツクバ・・・
レース翌日「ドラマを見ました!」と 沢山の人達から言葉を頂き
自分達としても大変嬉しい限り。
でもですね・・・
とにかくキツかったっ!
何がキツいって、レベル 高すぎっスよ~!!
本篇では泣き言 書けなかったですけど、ほんと大変だったんです!
レースのレベルが 数年前よりも格段に高くなってると言うのに
何度も言いますが、よもや自分がエンジンやるなんて予想もして
なかったんで も~ ガクガク・・・ (;^ ^A
ひとまず何とか終わる事が出来て、当日会場で または来れなかった
けれど 応援してくれていた皆さんには、改めてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
さて・・・
ここまでやたらシリアル路線ブログだった為、雰囲気上 載せるに
載せられなかった画像も多々ありまして。
最後に番外編として ご紹介したいと思います。
トップバッターは!
月刊ヘリテイジ&レジェンズ 月岡編集長との、ツーショット!
いつも自撮りにつき合って頂き、ありがとうございます!
この日も編集小原さんと一緒に、一生懸命取材されておりました。
このヘリテイジ&レジェンズ誌、自分達の業界専門誌としては
残された最後の存在・・・
微力ながら応援して行きますんで、ガンバって下さいね~っ!
ムーンフィールド 月野代表!
「大変でしょ」 と、ひと言・・・(苦笑)
スーパーモンエヴォにまたZEP1100で 出てくんないかな~
空冷のグリッド数が少なくて、さみしいんスよね~ ( ;∀;)
予選でクラッチリリースにトラブル発生!
慌てふためくピットロードに、ラッシュの代表 カッパさんこと
清水さんが駆け付け とっさのアドバイスを貰います!
でも・・・
ちょっと眠そうでした・・・(苦笑)
大先輩! クラスフォーエンジニアリングの横田社長です!
いまだに空冷Zで様々な分野にトライしている 横田さんには
自分も共感しており、とても頼もしい!
月刊ヘリテイジ&レジェンズでも 誌面を沸かせる存在ですから
これからも活躍、楽しみにしておりますよ~!
予選終了後、クラッチリリースの対策について アドバイスを
しに来てくれた カッパさん・・・
「重くなるけどノーマルリリースの方がいい! ノーマルに戻して
プッシュロッドとの距離をベストな関係にしてやれば 直る!」 と
ねたーっ! Σ( ̄□ ̄|||)
こちらのお二人は 遠くアムステルダムから、何とTOTを観戦しに
来たんだそうです!
実はレースに入る直前の8日に サンクチュアリー本店にも来ていて
ひそかに応援してくれておりました。
ありがたいです ♪
台湾から来日された 呉さんと、そのお友達の方々!
何と! 國川君を応援しに駆けつけてくれたとの事で、記念に
ツーショットを撮られてました!
呉さんは台南で業者を営んでおり、ナイトロレーシングパーツや
SCULPTUREパーツを時々購入してくれている、海外での
大切なお客さん!
また日本に来られた時は ぜひ! お立ち寄り下さいねっ! (^^)/
他にも外国の方が 何人も来てくれました ♪
しばらく来てない内に TOTも随分とグローバル化したもんです。
それにしても國川君、英語ペラペラだったな~・・・ ( ̄▽ ̄;)
おなじみ スピードショップイトウの代表、アキオです!
どんだけ 嬉しい!? (^^;)
最後はネストの代表 椎根さん!
SSイトウのアキオや サンクチュアリーレッドイーグルの裕也を
通じて、こちらの椎根さんや ザップレーシング長谷川さんなどは
同じ空冷Z好き者同士として 色々アドバイスをしてくれたんです!
ウチは久々のレース復帰だったと言うのに、本当にありがたい・・・
レースはとても厳しい戦いの世界だけど、こうした交流のあるのが
いい所ですよね~ ♪
そんなTOTを終え、数日後・・・
決勝での最後1~2ラップ、マフラーから白煙を吹き始めたんで
原因を探るべく、3号機のエンジンを分解しました。
結果から言いますと 大きな損傷ななし・・・
またその内、この辺の話もご紹介したいと思います (^^)v
そして現在 RCMを製作中の皆さん、大変お待たせしました!
次回より業務新着をお送りしますので、よろしくお願いします <(_ _)>
ゼッケン39 最後の挑戦 (最終回)
2019.11.14
ゼッケン39 最後の挑戦(最終回)
Zレーサー3号機のエンジンに、異変を感じとった國川浩道・・・
8周目からエンジンへの温存を配慮して ペースダウン・・・
ここから58秒台ラップは消え、59秒台での周回が続く。
空冷エンジンはそもそも 高温化による出力損失が大きい構造である。
排気量と圧縮を上げ爆発力を大幅アップすれば 自ずと故障リスクは
水冷エンジンよりも大きく跳ね上がる・・・
だが 安全圏内の130馬力では あの水冷ハーキュリーズマシン達に
立ち向かう事は全く持って不可能で、例え馬力リスクが上がろうとも
高出力化を求めない訳には行かなかった・・・
ところがZの場合、空冷である事は元より 2バルブと制限のある
構造から高出力化への難易度が高く、かなりギリギリまで絞った
チューニングを必要とする・・・
すると当然 エンジンブローの可能性は格段に高くなるから、常に
危険と隣り合わせ。
これが空冷Zで挑む事の、最大の難関であり 現実・・・
あたり前な話だが、ひと言で言えば 空冷Zはエンジンが古いのだ。
では、なぜそんな空冷Zで挑むのか?
それは 私のエゴ・・・ つまり、マンガが見たかったからである。
テイストオブツクバの前身レースである テイストオブフリーランスは
空冷4発マシンを主軸とした ヴィンテージマシンレースだった・・・
そんな空冷旧車のレースに どっぷりのめり込んだ時代があり、その
迫力と存在感を 今も忘れる事が出来ずにいる。
テイストオブツクバになり、時代の流れと共に新鋭車両が数多く
参加できる様になって、空冷Zは完全にヴィンテージクラス専門と
なった感があった・・・
旧車なのだから もちろんそれで良いのだが、私にとって空冷Zとは
いつまでも神速を誇る、永遠に最速の存在であって欲しい・・・
すなわち ZでNinjaを抜く、 Zで最新SSマシンを抜く事。
だが現実は あまくない。
そんな事が可能なのは コミックスの世界だけの事なのだろうから。
そんな自分の無茶なエゴにつき合ってくれた、國川浩道。
心から ありがたいと思うし、 同時に申し訳ないとも思っている。
本当は空冷Zでは、チューンナップした水冷・油冷に勝てない事を
私だって知っているんだから。
だが今日は 最初の2周・・・
そんなコミックスの中でしか見られないシーンを、現実に見れた。
こんなにカッコいい現実は そうある事ではない。
果たして会場にいた何人の人達がこの事に気付いたか わからないが
私は涙腺の緩みを止められないほどに 感動したのだ。
エンジンパワーで最も劣るマシンが、例え ほんの一時であっても
トップだったのだから!
やがてチェッカーが降られ、レースは終了。
國川は誇らしげに 手を振る・・・
私は 「國川、君こそが本当の勝利者だ」 と・・・
そう思った。
歓喜に沸く グランドスタンド前。
スーパーモンエヴォにもドラマがあったが、ハーキュリーズにも
この日、大きな記録が生まれると言う もう一つのドラマがあった。
この場の 中心にいれた事を誇りに思うし、同時に感謝をしている。
それは この場にいたサンクチュアリーのメカニック、全員が・・・
感じた事でもあっただろう。
そして ここまで苦しい道のりを歩んだ、二人の絆・・・
よもやシェイクダウンレースで ここまでの結果に辿り付けるとは
思ってもいなかった事・・・
皆 疲れ果ててはいるが、それ以上の強い充実感があった。
パワービルダー針替君がめずらしく 握手を求めに来てくれました。
これは嬉しい・・・ とても光栄に思います。
でもこの日 パワービルダーは57秒843と言う、尋常ではない
レコード記録を叩き出している。
それに比べれば 自分達は、まだまだ力不足だと言えるでしょう。
針替君、そして山根選手、誰も成し得ていなかった57秒台での
レコードタイム更新、本当におめでとうございます!
何はともあれ
ライダー 國川浩道の走りには、魅せられたぞーっ!!
空冷最速 スーパーモンスターエヴォリューション クラス優勝
おめでとう!
ベストタイム、空冷Zでの58秒664も 本当に凄い!
そしてハーキュリーズとの混走 総合でも2位と言う、素晴らしい
戦績に賞賛が送られる!
國川浩道に笑顔が戻った。
結束の力も信じよう! 今日ばかりは その気持ちを抑えられない!
スピードショップイトウのアキオが、心から祝福してくれる。
アキオの援護がなかったら この結果はなかっただろう・・・
彼もまた 空冷Zに魅せられた一人であるのだ。
厳しい戦いでした・・・
何かと言えば それは、レベルが異常なまでに高くなっていた事。
江戸川区時代に Zレーサー1号機・2号機で臨んでいたレースの
面影はなく、あの頃だったら 太刀打ちできなかったと・・・
今になって背筋が寒くなり、始めてレースを恐いと思いました。
國川浩道が初めてサンクチュアリーを訪れた時の あの言葉・・・
「レースではストリートの10倍 マシンに負担が掛かるんです」と
語っていた事、今更ながらしみじみ思い起こしています。
空冷Zで挑めるのは、もう ここまでだろうか。
終わって ここまで弱気になったレースも、また初めてでした。
この後の事は まだわからない・・・
ただ 目指していたタイムに届いていない事だけは、確かである。
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【THE END】
= 音声付き動画 =
ゼッケン39 最後の挑戦 (その22)
2019.11.13
テイストオブツクバ、水冷車&空冷車による 最速クラス混走での
決勝レースが 始まろうとしていた。
水冷 最強・最速クラス ハーキュリーズ。
空冷 最強・最速クラス スーパーモンスターエヴォリューション。
エントリー台数が少ない事から止む無く2クラスが混走となった事に
今も違和感はある・・・
だが この2クラス混走レースにエントリーできる者は 極々限られた
チームとライダーだけであるのだろうから、もはや水冷 空冷の垣根を
越えて壮絶化してしまった事は受け入れるしかないのだろう。
ウォーミングアップランを終え 緊張感がピークに達した場内。
アナウンスが止まった その直後
全車 一斉にスタート!
大排気量 ハイパワーマシンだけに与えられたエンジンが奏でる
加速音がホームストレートに残響を残し、誰もが圧倒された。
恐怖すら覚える このクラス独特の迫力と凄みに、全員言葉を失う。
ここまで来たら あとは全てをライダーに託すだけ・・・
クルー達は ただひたすら奇跡を信じて、見届けるだけだ。
間もなくして 遠くから全開走行のエキゾースト音が近づいて来る。
最終コーナーから 真っ先に飛び出して来たのは
何と! 國川浩道と Zレーサー3号機!
後続のマシンは全て 超高出力の馬力を誇る水冷最速マシンであり
もちろんライダーも選ばれし最強の男達であるから、目を疑わずに
いられない。
不謹慎な表現かもしれないが、本当は誰しもが
「空冷スーパーモンエヴォマシンが 水冷ハーキュリーズマシンに
勝てるはずはない」 と、思っていた事だけに にわかに信じられず。
だが今 目の前で、それは現実に起こっている。
スタートが良かった事も もちろんだが、國川浩道のライディングが
生んだ奇跡でもあった。
フルブレーキングからコーナーへ。
進入時にエンブレを利用して後輪を滑らせ始め
ほとんど減速しないままマシンバンク開始
大きく流れ 横を向き出す車体
それでもそのまま容赦ないスライドで クリッピングへ
前後タイヤの向きが全く異なる方向で スライド走行しながら
クラッチレバーコントロールで エンジントルクを上手く抜き
最短ラグでアクセルオン!
最速でコーナーを脱出!
勝負はインフィールドだ!
3号機のシャシー性能を使って コンパクトにコーナリング!
第2ヘアピンを立ち上がって バックストレート勝負になれば
その圧倒的エンドパワーに太刀打ちはできない・・・
残念だが 空冷Zの147馬力エンジンではパワー競争出来ないから
ここで引き離せなければ 必ず刺されるのだ。
6速クロスを駆使して回転を落とす事なくシフトアップし 車速を
乗せて行くも、暴力的な加速の違いにその距離はグングン縮まり
最終コーナーでは 稼いだアドバンテージがゼロに。
繰り返し 同じシチュエーションで飛び出してくるマシン。
この直後のラップタイム計測で、國川浩道 58秒664!
「やったっ!」
「スーパーモンエヴォクラスのレコードタイムまで あと少し!
ついに空冷Zで ここまで来た!」 と、歓喜に沸いた次の瞬間
パワービルダーの山根選手が 圧倒的なそのパワーを駆使して
裏のストレートで國川をかわし、そのまま最終コーナーへ
そして直後
山根選手が57秒843のタイムをマーク!
この周回、ハーキュリーズクラスのレコードタイムを とうとう
57秒台へ突入させた!
5周 6周と続く中、徐々にその差は離れて行く・・・
インフィールドでしか戦えない あきらかなパワー差であったが
あきらめずに猛追する 國川の走りを見て、あと10馬力・・・
いや あと5馬力でもいいから載せてやりたかったと、胸が痛んだ。
だが國川の走りは、消える事のない 炎のごとき。
最後の最後までわからないのがレースだと 言わんがばかりの
走りに、心を打たれた。
それでも、7周目に差し掛かった頃だったろうか・・・
後に聞いた話なのだが、かすかにエンジンに異常を感じたと言う。
ここまでどれほど良くても、完走できなければ終わりであるから
スローダウンは致し方ない。
8周目以降、エンジン温存の走りに切り替えた 國川浩道の判断。
あらためて強く感じた、馬力のリスク・・・
國川の直感は あたっていた。
次回(最終回)
ゼッケン39 最後の挑戦 (その21)
2019.11.12
2019年 11月10日 テイストオブツクバ
水冷ハーキュリーズ & 空冷スーパーモンスターエヴォリューション
2クラス混走での予選が始まった。
序盤からハイペース走行する 各エントリーライダー達。
1周目からキリキリする様な速度で 見る者を圧倒。
水冷最速クラス ハーキュリーズマシンが本気で走る中、空冷Zの
エンジンで挑む國川の全力走行を 始めて垣間見た瞬間でもある。
やはり水冷マシンと 空冷マシンでは、その走り方に大きな違いが
あると、改めて感じた瞬間でもあった。
最高出力190馬力の水冷勢に対し、147馬力の空冷Zエンジンは
非力と言わざる得ない・・・
ましてやハーキュリーズクラスは ライダーも凄腕の猛者ばかり。
本当に対等に戦えるものか、ただひたすら緊張するばかりだった。
3周目に入った所だったろうか。
何か・・・ 國川がおかしい
あきらかにマシンが減速した?
やはり 何か起きている!
会場がざわめく中、第1ヘアピン横の通路からパドックへ
エスケイプしようとする 國川とZレーサー3号機・・・
応援でパドックにいた RCMオーナーズクラブの田中吾希人から
電話が入り、この状況が伝えられると。
誠太郎は迷わず、一目散に走り出した!
懸命にピットロードまで戻ろうとする 國川浩道。
残された時間はわずかだが、まだ予選を2周しか回っていない。
何とか走らなければ・・・
このままでは決勝に並べないかも知れないと言う 危機感があった。
一体何が起こったのか 全くわからなかったが・・・
この時 この場にいた誰しもが、 もうダメだと感じていた。
誠太郎が3号機を押して ピットに帰還!
「早くっ!」と言う掛け声が 周辺に響き渡る。
まだ あきらめていなかった。
原因はやはり、昨日の特別スポーツ走行の時から調子が悪かった
何と、クラッチワイヤー・・・
いや正確には、クラッチのリリーストラブルが原因であった。
予選時間は残す所 あと数分だが、まだある!
クラッチリリースを組み直し ピットロードからコースイン。
國川も 絶対にあきらめていないと言う走りを見せるが、一周で
すぐにチェッカーが降られ 予選終了。
結果はと言うと・・・
幸いにも2周目のラップが無事に計測されており、予選を通過した
結果に 皆一斉に胸を撫でおろす・・・
が、一方でタイムは 走行2周目にして59秒052と言う 見事な
タイムを叩き出しており、3番手グリッドを確保していた。
となれば、何とかクラッチリリースを直して 決勝に臨みたい。
タイヤローテーションチームと二手に分かれ、早速取り掛かった。
元々油圧クラッチだった所に ワイヤー式リリースを取り付けている。
そもそも何故、ワイヤー化をしたのか・・・
少し前のセットアップ走行時、減圧コントロールバルブを取り付けて
走行していたのだが、あまりにもエンブレが効かなすぎる・・・
もう少し効いた方が良いとの事でバルブを外すが、今度はエンブレの
影響で コーナー進入時にリアスライドが起こり易くなってしまった。
リアスライドそのものは國川にとって何の事はないが、スライドが
収まるまでのインターバル中に アクセルオンする事が出来ず、結果
必然的にタイムロスが生まれ 立ち上がりがの遅れに繋がっていた。
そこで國川は コントロール感を掴み易いワイヤークラッチ式に変え
スライド中に半クラッチ操作を駆使して 上手くトルクを抜いてやり
エンブレが起因となっているリアスライドを 掌握する走法を選択。
実際そんな事が出来るものなのか ピンと来なかったが、國川浩道と
言うライダーはそれを いとも簡単にやってのけた。
リアスライドをコントロールし脱出を速める事が出来れば、空冷Zの
パワーでも水冷エンジンに対し コーナーでアドバンテージを奪える!
空冷2バルブエンジン車で 最強ハーキュリーズマシン達と戦うには
特別な走り方をする必要がある事を 國川が一番 知っていたのである。
PAMSの竹部さんが 気になって駆けつけて来た・・・
症状はリリースが本来止まる位置を超え 空回りしてしまう事だが。
ワイヤーを引く作用角に やや問題ある事がわかった。
また操作を軽くする為に レバーの長い社外リリースにしていた事で
回転がオーバーしていた事も判明。
ラッシュのカッパさんこと 清水さんが
「重くなるけどノーマルリリースの方がいい! ノーマルに戻して
プッシュロッドとの距離をベストな関係にしてやれば 直る!」 と
アドバイス。
そして これを見ていたスピードショップイトウのアキオが、何と
持ち合わせていたと言うノーマルリリースを貸してくれる事に・・・
皆 空冷エンジンに魅せられた、名うてのチューナー達・・・
まさに “チーム空冷”の 結束を見た様に感じた。
クラッチの対策完了!
最後のマップ調整も よし!
そして
どうやら TOT最強・最速クラス、決勝の時間が来たようだ。
サンクチュアリー本店レーシングチームは 既に、満身創痍・・・
ここまで来るのに もはやボロボロと言うのが、適切な表現であった。
このレースを始めるにあたり、よもやここまで多くのダメージを
生むとは、当初 思いもしなかった事だったが・・・
それでも
それでもここに 辿り着いた。
随分苦しく、長い旅路だった様に 思う・・・
果たして空冷が水冷に、実際 どこまで食らいつけるものなのか。
最強・最速
いや!
最恐・最速のマシンと男達の誇りを掛けた戦いが 今、始まる!
ゼッケン39 最後の挑戦 (その20)
2019.11.11
レースの翌日 普通に出勤するも、自分でも思っていなかった程に
疲れが溜まっており、すぐにブログを書く事が出来ませんでした。
真サード世代の彼らはと言えば、もちろん 休日を取らせています。
おそらくは自分よりも ずっと、 疲れ果てていた事でしょう・・・
2019年 11月10日・・・
今日 ここ筑波サーキットで TOT決勝が争われる。
ここまで決して順風萬寳とは言えなかった日々だったが、それでも
無事この日を迎えられた事は ライダー國川浩道の追求する姿があり
更に 誠太郎を始めとする真サード世代達と、縁の下の力持ちとも
言える 江尻氏、皆の努力と結束で辿り着けたのだと思っている。
ところが・・・
早朝から大きなアクシデントが発生してしまった・・・。
真サード世代リーダーの、誠太郎が来れない・・・
待ち合わせ場所に向かうべく 予定通りに自宅を出たのだが、直後
ある事が起こり、絶望的な連絡が入ったのだ。
不謹慎な発言かもしれないが、もはや 今日のレースは無理だとさえ
思わされる衝撃と絶望に、ショックを隠せず 誰しもが口を閉ざした。
誠太郎の身に 一体何が起こったのか・・・
ここでは詳しい内容は控えさせて頂くが、本人の名誉を守る為にも
決して遅刻などの類ではないと・・・
本当に不運で衝撃的な出来事であったとだけ、言っておきます。
「今日は誠太郎がいない・・・ お前達だけで やれるかっ!」
そんな問いかけに対し、精気のない返事が返って来た・・・
無理もない・・・
誠太郎が置かれた状況に 誰しもがショックを受けていて、口には
しないものの、全員がレースに対するモチベーションをなくして
しまっていたのだから・・・
やるしかなかった・・・
普段工場では教えられる事のなかった レースメカとしての仕事を
今日彼らだけで やるしかなかった。
もちろん不安はあるだろう・・・
だが今日まで沢山の事を学び、多くの経験を積んで来た。
サスペンションと車体の勉強をし、マシンの維持と管理が如何に
重要な事なのか。
真に【レーシング】の名に恥じない、相応しきノウハウを・・・
この数か月間で身に着けたのだから。
「たとえ誠太郎さんがいなくとも、皆さんなら やれるはずです」
「自信を持って行きましょう」 と、江尻氏が 勇気づけた・・・
今だから言えるが、この時江尻氏も 精一杯であった・・・
気丈に振る舞う事で 何とか成り立たせようとしてくれていたのだ。
間もなくして 國川が到着・・・
誠太郎に起こった事態を説明すると、國川も同様を隠せなかった。
だが 國川はすぐに切り替える・・・
誠太郎さんは今日に賭けて来た。 だからやり遂げてみせる! と
まるで國川の闘志に火をつけたが如く、マップを調整し始めた。
一人でも手があった方がいいと、佐々木が他の者にも 基本的な
ピットワークを教える。
ウォーマーの脱着タイミングが スターター始動に絡んでいる事。
毎エアーチェックを欠かさない事に 残ストの意味とその重要性。
なぜそれが必要なのかまで 丁寧に教えて行った・・・
予選前にリアタイヤを換えるローテーションだったが、誠太郎が
いない為、仁科がパワービルダー 針替君の元へと走った・・・
事情を説明し、快く すぐにタイヤを換えて貰う・・・
ここぞと言う時・・・ 厳しい状況にある時 いつも助けてくれる
感謝と言う言葉しか浮かばない。
間もなくハーキュリーズ&スーパーモンスターエヴォの 2クラス
混走 予選が始まろうとしていた・・・
気のせいか 國川の表情が、いつもより厳しい顔つきだった様に
思う・・・
と、その時・・・
10時もすぎた頃だったか・・・
何と 誠太郎がやって来た!
聞けば やるべき事を何とか終わらせたので、駆け付けたと言う。
その顔色は険しく 限りなく疲労していたが、レースをあきらめない
と言う目の輝きだけは 消えてなかった・・・
色々ありはしたが、皆 安堵したのは確かな事・・・
國川の表情にも、わずかながら 笑みが浮かんだ。
現時点でのセットデーターをチェック。
全員、異存なしだ。
ピットロードを押して 予選スタートポイントへ。
なぜか一瞬 パドックが静かになった様に感じた・・・
全車エンジン始動!
水冷最強・最速 ハーキュリーズ・・・
そして 空冷最強・最速 スーパーモンスターエヴォリューション
2クラス混走の予選が 開始された!
ゼッケン39 最後の挑戦 (その19)
2019.11.07
サンクチュアリー本店では現在、新規のRCM製作や お預かり車両の
メンテナンス・カスタムの作業が 多数入っております。
ですが ここ一ヵ月程【ゼッケン39 最後の挑戦】に追われ、皆さんの
作業をブログで細かくご紹介できず 大変申し訳ない気持ちでおります。
そもそもは 私中村が1995年にACサンクチュアリーを創業し
2000年代初頭から加熱して行った 空冷Zによるレースでしたが
その活動に終止符を打つ事が目的でありまして・・・
それ故 この最後の挑戦はサンクチュアリーにとって大切な悲願であり
会社をあげて取り組まねばならない 重要な祭典だと捉えております。
本来であれば現在製作中のRCMを始め それ以外にもお預かりして
いる皆さんの車両の新着状況を ご紹介しなければならないのですが
11月10日の決勝、そして その後の結果報告をするまで暫くの間、
どうかこの【ゼッケン39 最後の挑戦】に お付き合いを頂きたく
お願い申し上げます。
ちなみに この様な状況ではありますが、皆さんの大切な車両作業は
きちんと進んでおりますので、そこはご安心を頂いて大丈夫です。
今大会から参戦表明しました Zレーサー3号機は、あの2号機と同様
オリジナルフレームに空冷Zのエンジンを搭載したマシンです。
今のこの一連の流れを生んだのは、やはりあの イエローコーンさんの
影響が大きかった為でした。
故 上中靖司選手のライディングで疾走した、オリジナルフレームの
空冷Z、その走りに憧れ 胸躍らせた20代・・・
何て俊敏なコーナーリングをするんだろうと、今でもその ときめきを
忘れていません。
フレームを交換しマシン性能を向上させる。
Bimota的なその手法、そしてその見事なフレームワークに唸った
若き日の私は 魅了され・・・
「Zは置物でも お宝でもない、 どうすればZが一番速く走れるのか」
手段を選ばず、あくまで速さを追求する為に 一線を越える姿勢・・・
私にとってZとは速さでしたから、その姿勢に一発で落ちました。
ヴィンテージバイクとしての時代的価値観を訴える人が増えて行く中で
その目線ではない姿に 強く胸を撃たれたんです。
私はその考え方に すぐシンクロしました。
そして 究極のZを目指した一念は、1号機から2号機へ・・・
あのオリジナルフレームZ同士でのバトルは 忘れられないものですが
残念な事に 志半場で中途半端に終わってしまいましたから・・・
その続きを見届けるべく、再び立ち上がる事に。
ちなみにイエローコーンさんはオリジナルフレームZ ハムステーキを
私達がレース活動を休止している間に 10年と言う長き年月をかけて
マシンを熟成させ、劇的なレコードラップを記録しました。
その時のライダーこそが 今回から3号機のライダーを務める國川選手
自身であり、その事からも自らの記録を超える為の挑戦となっており
私達としても大きなプレッシャーになっています。
2019年11月10日、 3号機はデビュー戦に臨みます。
ファースト世代 鈴木誠太郎を筆頭に、ここまで数ヵ月間 全力尽くした
サンクチュアリー本店 真サード世代・・・
力一杯の日々で疲れが溜まる中、皆体調を崩し出します・・・
それでも 少しでもマシンを熟成させようと、懸命に取り組みました。
連日に渡る練習走行を支え、ここまでよく頑張ったと思います。
明後日の10日、最後の挑戦 第1ラウンド。
直前だと言うのに3号機のセットアップは未だ終わらず、残念ながら
ベストな状態ではありません。
190馬力を誇る水冷モンスターマシン達に囲まれ、空冷Zが果たして
どこまで立ち向かえるのか・・・
その抗う姿を、この目で見て参ります。
レースに情熱ささげる 全てのショップ、コンストラクターの方達へ
敬意と尊厳を表し。
そして
この遥か高き頂きへの挑戦 生みの親であり、ずっと共に歩んで来た
カスタムピープル編集部 四ッ井氏にもエールを込めて
友人が好意で製作してくれた 音声付き動画を送りたいと思います。
ゼッケン39 最後の挑戦 (その18)
2019.11.04
短期間集中にてセットアップが行われている、Zレーサー3号機。
少し前に比べ、空冷エンジンには優しい気温になりつつあった
10月30日の筑波サーキット。
ファイナルは良い形になったが、マップは毎回 微調整が必要で
朝の時間帯は 必ずこの場面からスタートをする・・・
前々回から本格的にトライし始めた前後サスのセットは 今だに
迷宮にあり、油面&バネレートをシュミレーションしては変更を
繰り返すの連続で 先が見えない状態にあった。
これだけ短期間集中で仕上げているのは、裏を返せば 順調では
ないと言う事でもあり、ライダー國川浩道の描くイメージの中では
セットアップが相当遅れていると言う判断でもあるのだろう・・・
胸中 いくばくか。
何せ前回 2個目のシリンダーヘッドクラック補修部からオイルを
吹いてしまうと言う最悪の終わり方だっただけに、今日この日の
走行で ある程度の手応えを掴みたかったのだ。
そのシリンダーヘッドのクラックだが、この日の走行を迎えるに
あたり、表と裏からきっちり溶接で補修を施している・・・
タペットホール上までクラックが到達していただけに、溶接での
高熱を加える事はさけて来たのだが、オイルを吹いてしまっては
元も子もないのだから 決断せざるを得なかった。
とにかく車体セットの課題が最も遅れており、今日はそこを中心に
ピットインが繰り返されて行くはず・・・
ここの詰めを決勝までに間に合わす事が出来なかったら 目指す
領域に到達するのは難しい事だけに、乗り手もメカも それこそ
真剣そのものであった。
数周の後、最初のピットイン。
ますはシリンダーヘッドからのオイル漏れが 気になる所だが・・・
どうやらオイル漏れはない・・・
ここまでの練習走行で やっと全開にする事が出来る状況になった。
國川浩道には 随分と遠回りをさせてしまった様に思う・・・
少し前の事・・・
実は3個目のシリンダーヘッドを 入手していた。
プラグのネジ穴も良好・・・
クラックもない 健全なシリンダーヘッドをベースに、最低限の
精密内燃機加工だけ施した 状態の良いノーマルのヘッドである。
過密なスケージュールの中 ダイヤモンドエンジニアリングの
尽力にて、ノーマルバルブではあったが バルブシートリングの
カットと デッキ面研だけ施したもの・・・
どうしてもこれだけは!と 無理言って間に合わせて貰ったのが
唯一、絶対に欠かす事が出来なかった ツインプラグホール加工。
このツインプラグ化だけは 外す事の出来ない、何よりも大切な
要素だった為、間に合って良かったと 心から思う・・・
この日の走行終了後に、シリンダーヘッドは3個目に交換される
予定であり、今日一杯使い切って 車体を一気に進める思惑である。
レースが近くなった事もあり、走行するRクラスのマシン達も
混走の水冷ハーキュリーズマシンの姿が多くなっていた・・・
良い機会なので、空冷Zのエンジンがどの程度 ストレート競争
出来るものなのかを見極める為、CXコーナーから2ヘアピン
バックストレートを望めるポイントに移動し、その走りを見る。
どのマシンも全開だったのかは不明だが、一部190馬力クラスの
マシンを除いて引き離され方は少ない・・・
國川のシフトアップが巧みな事もあるのだろうが、 あぁ せめて
150馬力までエンジンパワーを上げてやる事が出来ればと・・・
胸に痛みを憶える 思いであった。
だが そんな思いを裏腹に、國川は今まで見せた事がないピッチの
上げ方を始める。
それはピットで待つ者達にも はっきりとわかる速度変化であり
0秒フラット付近から・・・
一気に59秒台へ突入させて来た。
ようやく “らしい走り” をさせてやる事が 出来たと思ったのだが
ここで走行が終了・・・
これまでの中では一番良かった様に思えるが、決勝まで残すところ
あと10日と言う状況であるし、メカニック達の疲労感はピークに
達しつつあったから 手放しで喜べるものではなかった。
そして翌日・・・
10月2日の走行用に組んだエンジンをリメイクし、143.18馬力
仕様で24日から25日にかけ、連続で2日間走行。
更に昨日も走行したエンジンだから 今回の分解では腰下まで全て
しっかり見ておかねばならない・・・
爆弾を抱えたまま よくぞここまで持ったと、思った矢先。
2日の走行から採用した Web製 435カムシャフトに、大きな
損傷が見つかる・・・
エキゾースト右側の軸部 ジャーナルに、かなり深い傷跡・・・
カムジャーナルの摺動部かじりは 今までも幾つか見た事があるが
これほど深くかじりついているのを実際に見たのは初めてである。
このカムは もうダメだ・・・
早速 輸入元に訪ねるも、国内在庫なしの回答。
どうしたものかと悩んでいた時、スピードショップイトウの代表
アキオが「中古なら持っている」との事で 快く分けてくれる事に。
また同時に ジャーナルのかじりは「カムラインが原因では?」と
ZAPレーシングの代表 長谷川氏が 語っていたとも。
なるほど、 確かにかじりついた場所は クラックを溶接補修した
位置のカムホルダーであったから 歪でカムラインが狂った可能性は
大いにあり得る・・・ と、直結する因果関係に そうだと感じた。
大切なカムシャフトを一本 ダメにしてしまったが、またも友人に
助けられて エンジン作業を再開。
ピストンとシリンダーライナーは共に、もうダメである・・・
ここは距離を重ね タイムが上がる如に予備を準備しておかねばと
スタンバイさせておいた新品があり、いよいよそれに交換をする
タイミングと判断。
この後 腰下まで全て分解し、現段階ではクランクシャフトに大きな
ダメージはなし・・・ ミッションも 一部消耗品のみ交換でOK。
クラッチハウジングに若干の劣化が見られた為 交換して対処した。
今日中に完成させないと、この後 誠太郎が作業をすべく控えている
マップの調整や シフターの接続をする時間がなくなってしまう。
それでも今回がエンジンを大きく開ける最後の機会であるだろうから
0.1mm単位での圧縮比設定を 時間をかけて慎重に運びたい・・・
殊に、多球燃焼室とピストンヘッドとの 35°テーパー部に関しては
1mm前後のクリアランスまで攻めたいし、エキゾーストバルブの
バウンス対策は バルブスプリングの荷重変更で解決できていたものの
インテーク側のPVは以前ギリギリであるから、ガスケットハイトの
選択には 時間を掛けたかったのだ。
測定誤差がなかったか、何度も測定して 計算の繰り返し・・・
ベースガスケットからブロック、シリンダーヘッドガスケットまで
トータルハイト 90.6mmで決定。
より高出力させたい想いと、壊れてしまう事への恐れ・・・
二つの気持ちが葛藤した挙句での数値であった。
一方で 誠太郎の方はと言うと
少し前から構想し、造り始めていたものがあった・・・
ZX‐10R純正スロットルボディを、ボルトオンで固定する為の
アダプタープレートである。
測定をして削り出し、インテークポート内径との合わせ削りまで
わずか2日間で ここまで造り上げていた。
取り付け角度こそ 空冷Zのノーマルそのものではあるが、最初の
シリンダーヘッドで試みた 下吹きインジェクター式 大径φ43の
スロットルボディを取り付けできるアダプターであった。
更に誠太郎は「ヘッドを組むまで まだ時間ありますか!」 と叫ぶ。
バルブスプリングの荷重値バラつきを ここでようやく測定・・・
全てのバルブスプリングが同じ荷重で働く様、始めて調整を行った。
ハイパワー化された水冷エンジンマシンや 90年代に生産された
新しい空冷エンジン車両に、空冷Zのエンジンでストレート勝負を
するのは 実は無謀行為とも言える事で、そこを少しでも補うべく
ギリギリでのエンジンチューンを施すのだが、空冷エンジンの場合
故障リスクなしでのパワーアップ化は 実際には中々難しい・・・
だが、スロットルボディの大径化やバルスプリング荷重の同調は
エンジンの故障に繋がり易い ハイコンプ化や点火時期の進角等と
異なった形で出力アップに貢献するから、有効な手法と言える。
レースウィーク 突入前夜・・・
閉店後、回り続けるシャシーダイナモの音が止まぬ夜であった。
最高出力 146.70馬力 Maxトルク 12.18 まで、若干ではあるが
上乗せする事に成功。
これでもまだパワー不足と言う 水冷最速クラスとの混走レースだが
このエンジンで来たるべき11月10日の決勝に臨もう。
直前で決定的ブローを起こそうものなら道は途切れるが、それでも
空冷Zエンジンで挑戦する以上、避けては通れない 馬力のリスク。
覚悟を決めて 臨むしかなかった。
年内納車目指して!RCM-506 MK‐Ⅱ!
2019.11.02
こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
お父さんが RCM-295 Z‐1のオーナー でもある、秦野市在住
H・Aさんからオーダーを頂いた、RCMー506 MK‐Ⅱ・・・
少し前に車体を立ち上げまして 現在はだいぶ形になっております。
実は 今年の春から秋にかけて、RCM MK‐Ⅱの問い合わせが
やたらと多く、かなりの台数 オーダーが入りました・・・
オーダー入るのは とてもありがたい事なんですが、安価な価格で
ご提供できる MK‐Ⅱのベース車が もうほとんど無くなってしまい
正直この後 MK‐ⅡのRCMに関しては、どうしたもんかなと 言う
状況になっております (-_-;)
H・Aさんも お父さんに相談し、随分 悩まれたご様子でしたが
どうしても妥協できなかったみたいで 一念発起されてオーダー。
なれば! と 最高のマシンに仕上げるべく、担当メカの佐々木も
頑張っておりましたが 3号機レーサーのピット作業に従事してる
時間が長くなって来た事から、遅れを取り戻すべく 合間に集中!
まだ足回りパーツが全部そろってない事から、手始めに電装系を
コンプリートさせてしまうやり方を取りました。
自分がZレーサー3号機のエンジンを作業している すぐ右隣で
わき目もふらず せっせと組んでおります。
横で、鼻息フンフン言わせながら 集中しておりましたが・・・
うぅ~~~~む
何か やだな・・・ (--〆)
でもお陰で、画像の撮り損ねは 防げましたね ♪
こっちも油まみれで作業してますから、付きっ切りでパシャパシャ
撮れはしませんが それでも要所要所の画像は撮れました!
ピストンには イタリア流通ヴォスナーの、1mmオーバーサイズ
φ71をチョイス・・・
1mmオーバーと言うと いわゆる、オーバーホール用のイメージが
強いですが、圧縮比が 10.8:1と ハイコンプ系のスペックな事から
予想以上のトルクアップ&ハイレスポンス化を実現しています。
要のシリンダーヘッドは、もちろんキッチリ 精密内燃機加工を
施してあります。
サンクチュアリーメカブランド EK強化カムチェーンは、リンク
本体の強度を上げつつも フリクションを低減させた優れもの・・・
タイミングパーツ アイドラーオールワンパッケージは、画像では
見えませんが テンショナーにノーマルのゴムローラーと同等の外径
サイズ15Tを採用しており、組み付け時 カムチェーンが最初から
張ってしまう様な事がない 寸法になっております ♪
今回カムはノーマルですが 非常に状態がよく、ヘッドの構成を
ベストコンディションにしてありますので 扱いやすく、調子の
良いフィーリングに仕上がる事でしょう (^_-)-☆
ヘッドカバーを取り付けて、エンジン コンプリート!
この後 佐々木は、早速エンジンを搭載すべく フレームに養生を
張っておりました・・・
佐々木がいなくなった エンジン作業室は・・・
う~~~~~ん
広い ( ̄▽ ̄)スッキシ
H・A さ~んっ!
12月半ば 過ぎるとは思いますが、年内納車いたしますんで
楽しみにお待ち下さいね~~~っ! (^^)/