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SANCTUARY公式ブログ "Engineering&Passion"

ゼッケン39 最後の挑戦 (その21)

2019年 11月10日 テイストオブツクバ

 

水冷ハーキュリーズ & 空冷スーパーモンスターエヴォリューション

2クラス混走での予選が始まった。

 

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序盤からハイペース走行する 各エントリーライダー達。

 

1周目からキリキリする様な速度で 見る者を圧倒。

 

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水冷最速クラス ハーキュリーズマシンが本気で走る中、空冷Zの

エンジンで挑む國川の全力走行を 始めて垣間見た瞬間でもある。

 

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やはり水冷マシンと 空冷マシンでは、その走り方に大きな違いが

あると、改めて感じた瞬間でもあった。

 

最高出力190馬力の水冷勢に対し、147馬力の空冷Zエンジンは

非力と言わざる得ない・・・

ましてやハーキュリーズクラスは ライダーも凄腕の猛者ばかり。

 

本当に対等に戦えるものか、ただひたすら緊張するばかりだった。

 

 

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3周目に入った所だったろうか。

 

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何か・・・       國川がおかしい

 

あきらかにマシンが減速した?

 

 

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やはり   何か起きている!

 

 

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会場がざわめく中、第1ヘアピン横の通路からパドックへ

エスケイプしようとする 國川とZレーサー3号機・・・

 

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応援でパドックにいた RCMオーナーズクラブの田中吾希人から

電話が入り、この状況が伝えられると。

 

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誠太郎は迷わず、一目散に走り出した!

 

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懸命にピットロードまで戻ろうとする 國川浩道。

 

残された時間はわずかだが、まだ予選を2周しか回っていない。

何とか走らなければ・・・

 

このままでは決勝に並べないかも知れないと言う 危機感があった。

 

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一体何が起こったのか 全くわからなかったが・・・

 

この時 この場にいた誰しもが、 もうダメだと感じていた。

 

 

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誠太郎が3号機を押して ピットに帰還!

 

「早くっ!」と言う掛け声が 周辺に響き渡る。

 

まだ あきらめていなかった。

 

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原因はやはり、昨日の特別スポーツ走行の時から調子が悪かった

何と、クラッチワイヤー・・・

 

いや正確には、クラッチのリリーストラブルが原因であった。

 

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予選時間は残す所 あと数分だが、まだある! 

 

クラッチリリースを組み直し ピットロードからコースイン。

 

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國川も 絶対にあきらめていないと言う走りを見せるが、一周で

すぐにチェッカーが降られ 予選終了。

 

 

結果はと言うと・・・

 

 

幸いにも2周目のラップが無事に計測されており、予選を通過した

結果に 皆一斉に胸を撫でおろす・・・

 

が、一方でタイムは 走行2周目にして59秒052と言う 見事な

タイムを叩き出しており、3番手グリッドを確保していた。

 

 

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となれば、何とかクラッチリリースを直して 決勝に臨みたい。

 

タイヤローテーションチームと二手に分かれ、早速取り掛かった。

 

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元々油圧クラッチだった所に ワイヤー式リリースを取り付けている。

 

そもそも何故、ワイヤー化をしたのか・・・

 

 

少し前のセットアップ走行時、減圧コントロールバルブを取り付けて

走行していたのだが、あまりにもエンブレが効かなすぎる・・・

もう少し効いた方が良いとの事でバルブを外すが、今度はエンブレの

影響で コーナー進入時にリアスライドが起こり易くなってしまった。

 

リアスライドそのものは國川にとって何の事はないが、スライドが

収まるまでのインターバル中に アクセルオンする事が出来ず、結果

必然的にタイムロスが生まれ 立ち上がりがの遅れに繋がっていた。

 

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そこで國川は コントロール感を掴み易いワイヤークラッチ式に変え

スライド中に半クラッチ操作を駆使して 上手くトルクを抜いてやり

エンブレが起因となっているリアスライドを 掌握する走法を選択。

 

実際そんな事が出来るものなのか ピンと来なかったが、國川浩道と

言うライダーはそれを いとも簡単にやってのけた。

 

リアスライドをコントロールし脱出を速める事が出来れば、空冷Zの

パワーでも水冷エンジンに対し コーナーでアドバンテージを奪える!

 

空冷2バルブエンジン車で 最強ハーキュリーズマシン達と戦うには

特別な走り方をする必要がある事を 國川が一番 知っていたのである。

 

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PAMSの竹部さんが 気になって駆けつけて来た・・・

 

症状はリリースが本来止まる位置を超え 空回りしてしまう事だが。

 

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ワイヤーを引く作用角に やや問題ある事がわかった。

 

また操作を軽くする為に レバーの長い社外リリースにしていた事で

回転がオーバーしていた事も判明。

 

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ラッシュのカッパさんこと 清水さんが

「重くなるけどノーマルリリースの方がいい!  ノーマルに戻して

プッシュロッドとの距離をベストな関係にしてやれば 直る!」 と

アドバイス。

 

そして これを見ていたスピードショップイトウのアキオが、何と

持ち合わせていたと言うノーマルリリースを貸してくれる事に・・・

 

 

皆 空冷エンジンに魅せられた、名うてのチューナー達・・・

 

まさに “チーム空冷”の 結束を見た様に感じた。

 

 

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クラッチの対策完了!

 

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最後のマップ調整も よし!

 

 

そして

 

 

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どうやら TOT最強・最速クラス、決勝の時間が来たようだ。

 

 

 

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サンクチュアリー本店レーシングチームは 既に、満身創痍・・・

 

ここまで来るのに もはやボロボロと言うのが、適切な表現であった。

 

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このレースを始めるにあたり、よもやここまで多くのダメージを

生むとは、当初 思いもしなかった事だったが・・・

 

それでも

 

 

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それでもここに 辿り着いた。

 

随分苦しく、長い旅路だった様に 思う・・・

 

 

果たして空冷が水冷に、実際 どこまで食らいつけるものなのか。

 

 

 

最強・最速

 

いや!

 

最恐・最速のマシンと男達の誇りを掛けた戦いが 今、始まる!

 

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