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Rumbling - NOBLESTスタッフのコラム

Vol.2 「NITRO RACINGサイレンサー」誕生の経緯

2006年1月25日

■開発のきっかけ

細身のボディパイプに贅沢なアルミ削り出しキャップ。カットエンドされたままの大口径排気口とステンレススプリングフック。

そんなオリジナルスタイルでデビューしたナイトロレーシングのサイレンサーは当初アルミの外径φ100、パンチングパイプ内径φ60の大排気量車専用サイレンサーとして誕生しました。かれこれ10年も前の事です。

当時、一般市場で販売されているマフラーメーカーのサイレンサーにこれといった魅力を感じるものが見当たらなかった為、「それならばオリジナルの物を作り出そう。」と言う発想が現在のナイトロレーシングサイレンサーの開発のきっかけとなる訳です。




■シンプルなデザインに秘められた良質な性能を求めて

開発当初、サイレンサーの外観、いわゆる全体的なスタイルにはこだわりました。サイレンサーボディにメーカー名の刻印や、プレートを一切着けてないのも、そのこだわりからの物。そして今でこそパンチングパイプ径がストリート用でφ45、競技用でφ55と、初期型のφ60に比べれば少々音量規制されたものの、それでもナイトロらしい迫力ある重低音サウンドは今も生き続けています。

■レーシングフィールドから得られる考え



2003年には外径φ90のチタンサイレンサーが新たにラインナップされ、早速実走テストを兼ねてSANCTUARY Zレーサーに装着。連日筑波サーキットで「テイストofフリーランス」に向けてのレーサーセットアップを兼ねて、サイレンサーのテストが繰り返されました。

ライダーはご存知、上田隆仁選手。パンチング内径φ37.5のストリートチタンを装着してテストを開始。当初、レーサーはパンチングパイプ内径φ55のカーボンサイレンサーを装着していた為、φ37.5のパンチングパイプ内径が奏でるエキゾーストサウンドは、空冷2バルブチューンドエンジンの迫力あるサウンドが多少スポイルされた感じは否めなかったのです。そんな思いもあり、ある日パンチング内径φ50のレーシングチタンに変更したところ、コースインして間もなくピットに戻った上田選手からの言葉が「φ37.5の方がトルクフルで扱いやすい。サスのセットやブレーキ性能、旋回性に至るまではっきり体感できるほど影響が出ている。φ37.5の方がインフィールドで有利だ。」と言う内容。


迫力ある空冷系マシンによるレースですからエキゾーストサウンドも言ってみれば「爆音!」の方がと思って交換してみたものの、結果としては0.1秒でも早く走らせる為の選択はストリートチタンの内径φ37.5だったのです。公道においてφ37.5とφ50のパンチングパイプ径による差がはっきり体感できるかと言えば実はそれほど影響力は表れないものです。ただし、キャブレターセッティングの要因もからんできますが、基本的に筑波サーキットが持つ独特のインフィールドコースレイアウトと、1分1秒台でラップしてゆくと言うハイレベルなライディングが条件として重なったからこそ、初めてその差が大きく表れたものだと言えるでしょう。



■日常と言う歴史から生まれた現在

結果として得られた考えは、高性能サイレンサーの傾向としてパンチングパイプが太すぎず細すぎない事。そしてエンドバッフル等に見られるそれまでストレートに排気が導かれてきたパイプ径を急激にワンポイントで絞り込むと言う確段差的パーツの存在はかなり大きな排気抵抗になると言う点です。

ストリートで生まれ、そしてサーキットで鍛えられると言う変則的歴史の中でアレンジされ成長してきたナイトロレーシングサイレンサー。そのスタイルは今もなお変わることのないオリジナルスタイルを保ちつつ、性能向上へのチャレンジが日々試み続けられています。




NOBLEST 代表 中村博行