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Rumbling - NOBLESTスタッフのコラム

Vol.15 オートバイに関わる仕事を目指す方へメッセージ

2007年3月11日

これからオートバイに関わる仕事を目指す方へのメッセージとして、この業界の現状と傾向を業界の一員として感じるままに述べてみます。


▼オートバイ業界の現状は?

現在、オートバイ小売業の経営者の多くは、オートバイブームの洗礼を受け、オートバイ需要の黄金期を経験して来た世代であろうと思います。メーカーの看板を大きく掲げ、新車を大量に販売できた時代...業界にとって幸せな時代でした。そのブームが去り10年余を経た現在、オートバイの生産台数はピーク時の4分の1に落ち込み、比例して販売台数も大幅に減少、オートバイの絶対的シェアは完全に縮小してしまいました。小売店の経営は逼迫し、「撤退、廃業」を考えざるを得ない状況にまで追い込まれてしまっています。個人事業による極小規模事業が大半を占めるオートバイ業界では、多くの場合、人を雇用する資金的余裕も意欲もないというのが実状です。


かつてこの業界にも黄金時代があった
 
撤退、廃業の憂き目に遭う事業主も少なくない

経済産業省が2002年に調査を行った「商業統計表」によれば、二輪車小売店の総数は全国で1万2458店舗。その内、法人が3,442店、個人店が9,016店と圧倒的な比率で個人店が占めています。また、働いている従業者規模に関しては、法人、個人を問わず10人未満という店舗がほとんどであり、この事からもバイクショップの多くが、店主と少数のスタッフで成り立っている極小規模事業として営みを続けている業界である事が見てとれます。
Rumbling Vol.14より

では、大半を占める個人事業主とはどのような特徴を持つのでしょうか。私がオートバイ業界に入ってまず感じたことですが、この業界の傾向として、組織やネットワーク作りや技術の継承、後継者育成等の面で、創業者が現役引退後も店を存続させ、その後も発展を目指して行けるような体制をとる経営者が少ないということがあります。つまり、なるべく少人数で店を賄い、身の丈以上の発展は望まず、現役一代限りの短期決戦型である場合が多いのです。業界全体の勢いを鈍らせているのは、需要の落ち込み以外に、新しい人材が育ちにくいこのような経営環境も理由の一つとして大きいと言えるでしょう。


後継者育成も重要な経営課題だ
 
一代で技術が廃れてしまうのは惜しい


▼業種別の傾向と仕事の特徴

車両小売業

新車販売の増加は現状ではあまり見込めません。二次流通(中古車販売)が主な路線となるでしょう。実際にここ数年、二次流通(中古車販売)をうまく利用して商業的に成功した例をよくご存知でしょう。しかしこの二次流通(中古車販売)も、資源となる新車の販売台数が増加しなければ、やはり減少傾向を辿るのは否めません。中古車市場の活性化は新車販売市場の動きと決して無関係ではないのです。また最近のデータによれば、大型スクーターや大型バイクの保有台数にわずかながら増加が見られますが、数値的に著しいものではなく一過性の傾向が見受けられ、それほど効果的要素ではないと考えます。

部品製造・販売業

流行車種や新車への迅速かつ柔軟な部品開発を行い、流れに沿った商品を提供するパターン。そして特定のジャンル(ミニバイク等)に的を絞った商品を提供し、ブランドイメージの定着をねらうパターン。この二つが主たる傾向でしょう。この分野の業績は、オートバイの車種別保有台数にも密接に関連しています。金属等の原材料価格の高騰、環境に関する様々な法規制など、社会的要因に業績が左右されることが多くあります。また、小規模ながら「パーツメーカー」として広く名を知られ、会社組織としてしっかりと成り立っている法人が多いのもこの業種の特徴です。

修理・改造(チューニングショップ等)

得意とする車種のメンテナンスや改造、または特殊な加工技術を売りとするのが一般的ですが、関連した中古車や部品等の小売を伴わなければ、この業界においてはあまり現実的な商売ではないと言えます。自動車(四輪)分野の様な華やかさには欠け、どちらかと言えば、油にまみれた男臭い業種(オートバイ業界全体に言えることかもしれませんが...)と言えるかもしれませんが、こだわりを持ち、技術に長けたショップも多く、現在の厳しい業界を支えている業種の一つです。捉え方によっては、流行や社会の風潮に逆行するかの様な部分を持つ分野でもあることも確かです。会社組織として運営するショップがほとんど存在しないのも特徴です。


▼オートバイを仕事にするということ

・「好き」を仕事にすることのリスクと条件

オートバイを生業(なりわい)とする動機は、趣味で好きな事をそのまま仕事にしたいという欲求から来る場合がほとんどではないでしょうか。しかしこのようなケースでは多くの人が落とし穴に引っかかります。それは、趣味の部分に没頭しがちで、仕事の部分が疎かになる、つまり仕事に甘くなる傾向に陥りやすいことです。たとえ趣味の延長で始めたことだとしても、生業である以上「商い」としての責任が生じます。仕事として向き合うという覚悟、会社と自分自身の将来のビジョン。あとは少しの野心。これらを踏まえずして、これからのオートバイ業界を生き抜くことは難しいのではないでしょうか。

・新しい風を吹かせよう

オートバイ業界は他業種との接点が比較的少なく、外からの刺激に乏しいために視野が狭くなりがちで、閉鎖的な傾向があることは否めません。しかし反対にこれらをポジティブに見つめ直してみると、狭くなってしまった視野の外側には、まだまだ未開拓の新しい世界が広がっていると言えるのかもしれません。


この業界の閉塞した状況を打破する為にいま必要なこと。それは、全く新たな発想と強い志を持つフレッシュな人材の力であると考えています。これまでとは異なる、オートバイの新しい時代を創り、動かして行ける可能性を信じ、この業界での仕事を誇りと思える人材を迎え入れたいと思っています。


 


NOBLEST 石黒佑一郎




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