このMK‐Ⅱは鹿児島県在住のオーナーが以前から所有していた車両で、それを陸送にて送って頂き RCMとして造り変えた1台。既にナイトロレーシング製チタンマフラーやOHLINSリアショック、FCR キャブレターなどが装備されており、それらのパーツはそのまま再使用する形でRCM化が敢行された。

RCMの場合、原則としてフレームのレーザー測定から始まり変形が見られた場合は修正ストレッチを 行ってからフレーム補強へと入る。オーナーさんはフレームの修正履歴を存じておらず、その為まずは 測定から始まったが、結果Z系によく見られる変形・歪の類が確認され修正ストレッチから施工された。 エンジンも全分解され内部をチェック。新しいピストンに合わせたボーリングやバルブガイドの入れ替え など分解前からメニューを予定しているが、個体差で異なるシリンダーライナー圧入の緩さやクランク シャフトのコンディションはそのエンジンを詳しく検証してみないと判断が出来ないもの。このMK‐Ⅱの エンジンはライナー圧入も緩く、またクランクもベアリングの消耗に加え位相ずれを起こしていた事から クランクのフルリビルドまで施工。精密内燃機加工をフルコースで施しオーバーホールされたエンジンは 低振動で滑から。最後にトロコイドローター式ハイプレッシャーポンプを装備してコンプリートさせている。

足回りは前後17インチホイールシャシーで、RCMらしい先鋭的ローリングシャシーにてフィニッシュ。 現行のスペックを奢られたその車体は、ノーマルとは比較にならない程の高剛性と安定感を確保した。 RCMは総合的なバランスを考慮して造り込みコンプリートバイク。このRCM－539も持ち込まれた段階 から再使用できるパーツを除いて、ありとあらゆるセクションに手が加えられている。カスタムバイクは 見た目は印象的でも走らないと言う連想をしがちだが、RCMはそんなひと昔前のカスタムバイクとは 一線を画したマシンである。各部の加工精度が大切であり、最終的にはトータルバランスが大切と言う コンセプトで造り込んでいるから運動性能は実感として確実に向上している

。オーナーは一部カスタムを したノーマルに近いMK‐Ⅱを所有し乗っていたのだから、その大きな変化を体感する事が出来るはず。 スポーツバイクとしてのエッセンスを磨かれRCMシリアルナンバーを冠して新生果たしたRCMー539 MK‐Ⅱ。ノーマル車とは劇的に異なるフィーリングの違いを実感できる1台である。