NinjaスポーツパッケージNewTYPEは、エンジンフルオーバーホール、フレーム加工&塗装、そして電装系 パーツを一新させると言うメニューで製作されている。前後足回りや吸排気系パーツ、そして冷却系統なども 全てカスタマイジングしているから、NewTYPE-Rはほぼ全てのセクションにおいてフルコースメニューを適応 させている車両である。ここまで手を加えてようやくベストコンディションを確保出来るのだが、言い換えれば それだけNinjaが旧いバイク、すなわちヴィンテージ機種の仲間入りをしたと言う事なのだろう。後年式となる A8~A9以降であっても状態良い中古車は少ない。目を凝らせばエンジンの塗装は剥がれ素地が腐食して 剥き出しになっており、走行距離も走り込んでいる個体が多い。

外装パーツで見えないが、フレーム各所の 隠れた部分に錆浮きが目立つ。塗装状態も極めて良くないと言うのが中古車Ninjaによく見られる状態だ。 故に、スポーツパッケージNewTYPE-Rではそれらのレストア作業を基軸としている。もちろん運動性能に 直結する足回り、吸排気系などのカスタマイジングと同時進行だ。その足回りはタイヤサイズを現代企画の ものにしており、サスペンションやブレーキなども全て変更。スタートエディションと呼ばれるNewTYPE-Rの 基本モデルがあるのだが、このRCM-540ではそれら足回りパーツをスタートエディションから大きくアップ グレードさせている。OHLINS製倒立フロントフォークを始め、Brembo製のCNCラジアルマウントキャリパー、 リアスイングアームへのスタビライザー補強など、これらは全てスタートエディションにオプションで追加された メニューである。

エンジンはガンコート塗装を行い見た目が新車の様な状態になるのはもちろん、要所内部の パーツをファイナルエディションモデルのパーツに変更する事で熟成度をアップ。当然の事ながら精密内燃機 加工を随所に施して高い完成度のオーバーホールとして仕上げられたエンジンだ。コンディションンの良い エンジンにポテンシャルの高い車体の組み合わせは、Ninja従来の運動性能を大きく凌駕させる。また近年の 中古車の様に、納車後大きなトラブルに見舞われる可能性も非常に少ない事から、新車に近いNinjaを求める オーナーには打ってつきの1台であると言えるだろう。ビジュアルと機能面、どちらも両立させたマシンである。