RCMの基本的なコンセプトは何と言っても動性能の向上、この一点に重点を置き製作されている。同時に丹念なレストアを 施しているが、全ての作業がロードスポーツバイクとしての性能アップに繋がる作業だ。オーナー自身も、いわゆる所有欲を 満たす為のレトロ性をそれ程重要視していない。あくまでも元気に走れる事、そしてより現代の仕様である事にウエイトを置いて いる。

そのモディファイ内容は、もちろん前後17インチホイールシャシーである。ここ数十年で劇的に進化したハイスペックラジアル タイヤの装備を前提に、足回り部品全てを変更。ロードレースで磨かれた世界を牽引するパーツメーカーで構成をしている。 併せてフレームの強化と加工、エンジンもライフを考慮しながらトルクの上乗せを追求。吸排気系パーツの性能も加わって、その フィーリングは、ノーマルでは味わえないチューニングマシンならではのものになっている。

70年代にロードスポーツのフラッグ シップモデルとして登場したZ-1。当時最強を誇ったフラッグシップも、今ではスポーツ性からかけ離れた立ち位置になりつつある。 RCMはそんなZ-1に今一度誇れる走りを再現させたい。当時の思い出ではなく、あくまでも今の水準の中で走れる事。所有感 だけでなくロードバイクとしての操作性と機動力を追求する。オーナー共々合致した方向性で製作されたマシンだ。