RCM‐515 MK‐Ⅱ、そしてRCM‐545 Z1‐RⅡに続き、ファミリー3台目のマシンとして完成したZ‐1が、この RCM‐535である。ご家族で3台のRCMを所有されたケースは過去に未だ見ない。それぞれ空冷Z系シリーズ 御三家とも呼べる機種でカスタム冥利に尽きない揃い踏みである。先に完成納車されたRCM‐515 MK‐Ⅱと RCM‐545 Z1‐RⅡもかなり力の入った仕様であったが、最後発となるこのRCM‐535は、先の2台を大きく 上回るスペックで製作されている。大きく目を引くのは何と言ってもアッパーカウルだろう。

アメリカンドリーム製の このアッパーカウルKITはそのまま取り付けても全く問題のない優れものであるが、RCMとして製作する事から ひと手間加えたいと、カウル側面の固定ブラケットを新設するなど創意を追加。それはもちろん機能的なもので より完成度の高い固定を実現させている。シャシーパーツの選択と色指定については全てオーナーリクエストに よるもの。高性能＆高品質で信頼性の高いロードレース世界選手権トップメーカーの逸品のみで構成している。 ハイレベルなシャシーパーツにマッチングさせるべく、フレームにはサンクチュアリーオリジナルST‐Ⅱ補強を 施工。リアサスレイダウンやドライブチェーンライン23mmオフセットに対応したインライン処理など、フレームには 全て専用治具を用いて加工を施しており高い精度で完成させている。

そんなアップグレードされた車体に搭載 されたエンジンは車体に負ける事のないスペックで、各所対策パーツの多用を始まりにビッグボア＋ハイカム化。 シリンダーヘッドにはツインプラグ加工が施され、純正流用のデジタルメーターとシンクロさせているASウオタニ SP‐Ⅱも合わせてツインプラグ用パッケージを採用している。ナイトロレーシング製チタンEXとのマッチングも 相まってハイレスポンスながらトルクフルなエンジンフィールを実現している。パワフルな出力を受けて動力伝達 しているミッションにはTW社製の6速クロスを採用。ロングアウトプットシャフトをハイブリッドさせたコウガ店の オリジナル「6速クロス＆EVOシステム」で、オフセットスプロケットを使用せずフラットなスプロケットでドライブ チェーンラインを23mmオフセットさせた108mmに設定。加えてノーマルのギヤ式ポンプとは根本性能が異なる トロコイドローター式ハイプレッシャーオイルポンプを装備し、オイルクーラーへの圧送力など抜本的な部分から 発熱対策を施している。

このRCM‐535は先の515や545に勝るスペックで造り込まれているが、マシンは同じ ファミリで共有しているだけに乗り比べ出来る環境にある。どのマシンもそれぞれの利点があり、個性があるのだ から、ベース機種の違いだけでなくカスタムメニューの違いなども体感比較できて、より一層趣があると言うもの だろう。もちろん3台揃ったランデブーランも是非見てみたい、そう思わされた3台目のRCMである。