Special Contents
今回、Z1のR.C.M.KZ034に実際に試乗して、大変に驚き、感心させられた。まず、前輪17インチが車体に適合し、ハンドリングがまとまっている。20年以上も前のフロント19インチ/リア18インチ車を前後とも17インチに改造した場合、10年ほど前であれば、前輪から向きを変えていこうとする性質が強まっても、それが車体の素性に溶け込まないことがほとんどだった。具体的には、あってしかるべき接地感が伝わらず、落ち着かないばかりか無機質で、まともに走れるシロモノではなかったものだ。ここ最近、特にZ1系の改造車で17インチ化が適合してきたのを感じてきたが、今回の試乗でさらにそのことを確信した。よく走る理由がちゃんとあるのだ。フレームと車体全体の剛性バランス、ディメンションの両方が最適化されていることで、単に17インチ化をものにしているだけでなく、今日的なタイヤの潜在能力を引き出しているのである。そのことで、常に尻の下に後輪を感じて駆っていくZ1らしさを残しながら、今日的なネイキッドモデルを思わせるとっつきのよさが実現されているというわけだ。
正直に言って、私はこれまで、絶版車を改造した車両に対して、さほど強い興味はなかった。でも、このR.C.M.KZ034には、昔の素材に今日的な技術が違和感なく導入されている。そのことによって、近年のバイクの進歩を絶版車を素材とした改造車から感じ取ることができ、大満足であった。

Text : 和歌山利宏 Photo : BIKERS STATION
- 和歌山利宏(わかやま としひろ)
- 1954年2月18日、滋賀県大津市生まれ。75年、ヤマハ発動機(株)入社。ロードスポーツ車の開発テストにたずさわる。また自らレース活動を始め、79年国際A級昇格。82年より契約ライダーとしてF-1マシンの開発にあたる。その後、タイヤ開発のテストライダーとなり、フリーのジャーナリストとしてもバイクの理想を求めて現在も多方面で活躍中。
※このコンテンツはBIKERS STATIONの記事を、編集部様より転載許可を得て掲載しています。無断転載は固くお断りします。
