このMK-Ⅱは沖縄在住のオーナーから遠く遥々送られて来た車輌である。持ち込まれた時の車輌の仕様は ほぼフルノーマルに近い状態だったがRCMとして大きく変貌を遂げる。現行ハイスペックラジアルタイヤの 採用を前提とした17インチホイールシャシーで、エンジンもメカニカルなメニューを数多く取り込んだ仕様である。

ブラックで統一コーディネートされた全体イメージはオーナーからのリクエストで、高性能化させつつも空冷Zの 重厚感と貫録を演出したもの。ありがちな見た目の派手さではなく渋さを前面に打ち出す事を意としたもので、 カスタムしながらも上質な品の確保に拘ったが故である。重厚なブラックトーンで仕上られた為、一見だけだと 大人しい印象を受けるかも知れないが、目に見えるパーツは全て極上の逸品による構成。

足回りにおいては 前後ホイール・サスペンション・ブレーキの3種、全て世界選手権で活躍するメーカーアイテムに拘っている。 これだけのRCMであるから製作期間も一年と長期になってしまっていたが、オーナーはその間のプロセスも 楽しんでくれており、RCMならではの醍醐味を堪能されている。造り手としても冥利に尽きる一台である。