世界中で減少の傾向を辿る空冷Z系車両。Z1やZ1‐Rはもちろんの事、中でもこのKZ1000MK‐Ⅱは特に 入手が難しくなった機種である。枯渇が進むと同時に当然の事ながら値段も上がる。状態が悪い個体なのに 価格は高いと言う矛盾した状況で、RCMもMK‐Ⅱをベースにしたものは徐々に成り立たなくなりつつあった。

それでもこのRCM－493のオーナーはMK‐Ⅱへの想いを断ち切る事無く製作に踏み切る。予算の関係が あった事からどうすれば現実化できるかを相談され、とにかく工夫を凝らし性能面を損なわない製作プランを 確立。コストパフォーマンス重視でRCM MK‐Ⅱを実現させた。マシン仕様は17インチホイールシャシーで 800mmのレングスであるXJR1200純正後期型フォークを使用。ホイールもXJR1200の純正を用いたが、 ステムとスイングアームに関してはSCULPTURE製を採用。この二つに関して純正流用をしなかったのは、 ステムに関しては専用設計の物の方がメーターをラバーマウント式でボルトオン出来る事。XJRステム流用で ステムシャフトを造って入れ替えなどしている内に専用ステムが買える金額に近くなる事が主な理由で、また スイングアームに関してはXJR純正流用だとZ系には長すぎてマッチングがよくないと言った理由があり、 性能面を犠牲にしすぎるのはダメと判断した故である。

抑えるべき部分はきちんと押さえ、その上で問題ない 部分は純正を流用する。フレームやエンジン・電装と言った部分に関しては完璧な仕様にて仕上げているから、 将来やり直しになる様な事もない。あくまで走行する上での性能を重視したコストパフォーマンスに優れる コンセプトマシンとして、非常に完成度高い一台として仕上がっている。