空冷Z系車両の枯渇問題は年々深刻さを増している。Z1・Z1‐Rはもちろん今ではZ900や1000も数が減っており、 中古車の試乗価格は軒並み上昇しているのが現実だ。そんな厳しい時代の中でMK‐Ⅱこそは最も入手が難しく なったZと言え、もはや絶滅危惧種ではないかと思わされる程である。このRCM－502は、そんな希少機種である MK‐ⅡをベースにRCMクラフトマンシップ車両として製作をされた。オーナー不在の元、サンクチュアリーのスタッフ 主導で製作されるクラフトマンシップだが、マシンのスペックは至ってハイグレードな仕様である。

セパレートハンドルに シングルシートと言うルックスがこのマシンのコンセプトを物語っているが、Z系車両が本来持つスポーツバイクとしての 資質を前面に出した現代的フォルムで新生している。トータルバランスを鑑みるならシャシーへの妥協も許されない事で あり、高価・高額な最高峰パーツを惜しみなく採用。サンクチュアリーオリジナルフレーム補強STAGE‐Ⅱにリアサスの マス集中化を施工したレーシングレイダウンを施されたフレームへ、高水準な足回りパーツをフィッティングさせている。
エンジンはオーバーホールに重点おいたRCMライフパッケージだが、ナイトロレーシングEX+TMR MJNキャブレターに ASウオタニSP‐Ⅱの組み合わせで、ハイレスポンスなフィーリングを実現。ストリートでの走りにおいて十分なトルクと パワーを得ており、また同時に扱い易さ、乗り易さをも付随させている。

現代版カフェレーサーと言ったばかりの、この RCM－502だが、ストリートでの実用性も考慮しており、例えばシングルシートに追加した小物入れなどはその収納 空間の大きさに利便性を感じとれるはずである。それはすなわち街乗りからツーリング、ワインディングから高速クルー ジングまでオールラウンドに使えると言う事であり、RCMに求められている要素をなるべく減らす事なく仕上げたいと 言う思いからである。クラフトマンシップとしてスタッフ主導の元に造られた1台だが、自分自身のマシンに対峙するかの 如き姿勢で造り込まれている。