大阪府在住のオーナーはハーレーなど、いくつかのバイクを乗り換えて来られた方。そんなオーナーが初めて本格的な カスタムコンプリート車を購入するにあたり選択されたのがRCMで、それも個体数が著しく減少傾向にあるMK‐Ⅱでの RCMである。多くのZ系RCMがそうである様に、このRCM－543も前後17インチワイドホイール仕様で製作が成された。 最初からオーナーが拘った、イタリアO・Zレーシング製アルミ鍛造ホイール GASS RS‐のゴールドでペイントに、車体の 各部要所に配色されたゴールドカラーは、一見ですぐ判別できる個性化を図ったもの。カスタムバイクらしい遊び心を反映 させた配色である。

その半面、マシンコンセプトはロードスポーツ性を追求した仕様で、ツーリングからワインディング、 高速クルージングとオールラウンド性を持ち合わせたスポーツZの方向で仕上がっている。ステージを選ばないその仕様は 極的なものではない。エンジンも若干の圧縮アップは行ってはいるがオーバーホールに重点を置いたライフパッケージ エンジンで、長く乗り続けられる事にウェイトを置いた方向性のものである。それでもナイトロレーシング製手曲げメガホン マフラーにTMR‐MJN DSFキャブレターとASウオタニSP‐Ⅱの組み合わせで、エンジンは力強いフィーリングを発揮。 トルク&レスポンス共にノーマルと比較したなら全くの別物になっている。当然ながら、シャシーのアップデートとて抜かりは ない。動性能に優れるRCMを成立させるためのSCULPTURE製ステム&スイングアームに加え、構成パーツは全て厳選 されたメーカーアイテムを組み合わせる。世界最高峰メーカーの足回りパーツは完成度が高く、また信頼性も高い事から マシンのレベルアップを図るには欠かせない存在であり、RCMではパーツ本来の持つ性能もさながら、メーカーの存在と 言うものも参考材料として判断している。

このRCM－543のオーナーは随分悩んだ末でオーダーに至っているが、ひとたび 製作が始まると自らのマシンがどんなプロセスでどんな風に仕上がって行くのかを大変気にされていた。大阪府在住と 言う事から時々見に来るにも無理があり、製作期間中も楽しんで貰いたいと言う事から本店ブログでそのプロセスをご紹介 して来た。結果、オーナーも製作工程を楽しんでくれた様で、造っている間も含めてRCMならではの醍醐味を堪能されて くれているケースである。