2000年よりスタートしたサンクチュアリーのRCM。Real Complete Machineの頭3文字を略して"RCM"と 名づけてくれたのは某雑誌編集部の方で、それ以来ずっと慣れ親しんで来た名前である。それから年月が経って 2016年、アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルスにサンクチュアリーの直系会社 RCM USA Incが設立される。 オートバイメーカーRCM誕生の瞬間でもあったが、現地関係者からReal Complete Machineは"日本語英語" 的であると指摘される。RCM USA Incは Radical Construction Manufactureの略称として命名しているが 2021年、RCMは世界的に認知されて来ているのだから改名すべしと、2021年にアメリカ名称と統一をするべく Radical Construction Manufactureへ切り替える。それに伴い、Real名称時代最後のシリアルナンバーと なったのが車両がこのRCMー571であった。

17インチホイールシャシーで構成された車体は、オーナーの以降 から全体的に明るい配色を採用。パールホワイトの外装にバフ掛けされたスイングアームなど濃淡なトーン色を 使用していないが、それ以外の車体色がブラック系をベースにしており、メリハリ効いたビジュアルに収めている。 カラーコーディネートは個人の好みを自由に実現しているが、構造面に関してはRCMテイストを踏襲したもので、 フレームはレーザー測定&ストレッチを終えた後にストリートに適したSTAGE-Ⅱ補強を施工。SCULPTURE製 ステアリングステム&スイングアームを介して、ロードレース世界選手権ご用達アイテムである OHLINSサス・ Brembo製ブレーキ・そしてO・Zレーシングホイールの3種神器に加え、日本のSUNSTAR製ディスクを採用。 世界のトップメーカー逸品に拘る事は、製品の性能だけではなく信頼性も裏付けされる事であり、最高峰を掲げる RCMにとってパーツメーカーの選択は重要な要素であるからだ。

世界一のパーツで構築された足回りに負けじと エンジンもパフォーマンスアップ。緩くなったスリーブ圧入はワンサイズオーバーのシリンダーライナーに入れ替え、 ボアを上げたシリンダーにステージ1のハイカムシャフトを組み合わせる。点火系&吸気系のアップグレードに 加えナイトロレーシング製エキゾーストをマッチングさせ、耐久性を維持しながらも実用性十分なトルク&パワーを 発揮する仕様に仕上がっている。熱対策としてトロコイド式ハイプレッシャーオイルポンプも当然組み込み済みで、 トータルバランスに長けたスペックである。空冷Z系車両は今や入手するだけでも大変な時代であり、Z径RCMも もはやベース車を用意できなくなる日は近い。RealからRadicalへ名称は変わったが1台でも多くのZ径RCMを 世に輩出したい事に変わりはなく。このRCMー571は、そんな節目を迎えたシリアルナンバーの車両である。