福岡県在住のオーナーは複数台バイクを所有されている方だが、本格的なコンプリートマシンをオーダー メイドするのは今回が始めてとの事でrcmの製作依頼を頂いた。ベース車は空冷zで、今や入手が更に 困難になっているkz1000mk‐ⅱである。ベース車が高騰し続ける事からトータルでの乗り出し価格が 高額化する傾向の中、妥協したくないと言うオーナーの意向を反映させたこのマシンのシリアルナンバーは、 アメリカ laに在る rcm usa incの名称、radical construction manufacture の頭3文字へ統一 されたシリアルナンバー車である。

造り込まれた車体は17インチホイールシャシーで、もちろんフレームには 必須科目となるレーザー測定&ストレッチ・サンクチュアリーオリジナルstage-2補強・ワイドレイダウン・ ドライブチェーン軌道のインライン処理など、各項目を高精度な加工で施してバランス重視で仕上げている。 エンジンもいつもの精密内燃機加工フルメニューで、腰下から腰上まで妥協はない。トルク&パワーを追求 するのではなく、あくまでもベストコンディションを求めて施した内燃機加工と各種対策部品採用のオーバー ホールだが、良好なエンジンに吸排気系のアップグレードと点火系が加わって、必然的にトルク&パワーは 上昇。ノーマルとは比べ物にならないほど力強く走る特性になっているから、むしろ十分と感じられるフィール。 街中から高速、そしてワインディグロードと幅広く楽しめるニュートラルなものである。昔から言われる通り、 エンジンと車体の相互バランスはオートバイを構築する上で外せない要因である。

z系カスタムの場合、この バランスの関係性において車体がやや勝る造り方をすべしと言われて来た。わずかに車体が勝っている方が 確かに安定感は高いから、基本的にはそうであると今でも思える。z系rcmは大半がそのコンセプトで製作 されており、このrcm₋573も例外ではない。同時に足回りパーツにおいては今後のリペアパーツ供給面も 考慮して選択している。サスペンション・ホイール・ブレーキと、最新の製品を用いる事は維持する上での 安心感も確保していると言える。そんなシャシーを構成するパーツはもちろん、ワールドチャンピオンシップの 舞台であるmoto-gpやwsbkで今も活躍する世界の一流メーカー品。世界一のトップブランドメーカー品だけで 構築された足回りは正にrcmに相応しい選択である。オーナーは他にもz系車両を所有しておられる様で、 早速rcmに乗り比較したと報告が入っている。非常に高い満足感から感動してくれており、造り手側としても 嬉しい限りである。空冷zでも走るマシン、それを実感して頂けた事であろう。