前後18インチホイール仕様のZ系RCMは近年その数が増えつつある。かつても今も17インチ ホイール仕様のRCMが多い中で18インチ仕様車が頭角を現し出していると言えるところである。

MK-Ⅱ本来の車体シルエットを保ちながらも、要所に現代的なパーツや加工を取り込むと言った 柔軟な発想を持つオーナーが臨んだ仕様で完成したRCM-647だが、事実、乗り込んでみれば ノーマル系仕様の車両との違いが体感できるものである。それは一言で表すなら「元気さ」である。 ここで言う「元気さ」とはすなわち、車体の軽快さや動性能、ピックアップ良いレスポンスのトルクが 増したエンジンフィーリングの事を総称して表している。この「元気さ」はバランスの良いカスタム・ チューニングが施されている事はもちろん、先程も説明した現代の優れたパーツをチョイスしている 事から得られているものである。エンジンはカリカリに手が加えられた仕様ではないが、ディンクスに よる精密精度で仕上げられた内燃機加工により、すこぶる良い状態を示す。

TMRキャブレターと ナイトロレーシングマフラーは現代設計のアイテムであり、点火系のアップデートも加わった事で ノーマルのエンジンとは比較にならないほど異なったフィーリングだ。車体においては18インチ ホイールにマグネシウム素材のJBマグタンを履き、補強やリアサスレイダウンされたフレームと 相まって軽快なハンドリングを実現。癖のないナチュラルな走破性を有した自然さが利点である。 見た目MK-Ⅱらしさを残したいと純正のカラーリングとし、他にも要所、純正らしさを感じられる コーディネートである。カスタムブームが過熱した1990年代は「盆栽」なる言葉があり、それは 見た目ばかりで中身無しを皮肉った表現だったのだが、最近も「デコレーション」と指摘される 言葉を耳にする様になった。

これも「盆栽」と同じく、車体をコテコテに装飾したカスタム車の事を 指すのだが、RCMは機能性を伴わないパーツをなるべく採用しない様にしている。もちろん遊び 心も忘れてはいないが、あまりにも機能を伴わないパーツで装飾したそれをRCMとは呼ばない。 「機能ありき、その上で少しの遊び心」これこそが真のRCMであり、このRCM-647も正にそんな コンセプトを満たした一台である。