既に所有されている方達は感じていないかも知れないが空冷Z系車両の世界的枯渇は増々深刻度を増している。 Z1・Z1-R・MK-Ⅱ・Z1000Rなど以前からの人気機種はもちろん、近年ではKZ900&1000・LTDなども高騰し、 海外でも軒並み価格は上昇した。このRCM-601はそんな過渡期にKZ1000ベースで製作されたRCMである。

オーナーからの要望では、旧き良き時代のオメージを残して欲しいと言うものではなかったが、ヴィンテージ車両と しての要素は残したいと言う要望を感じさせられるものであった。前後18インチホイールで外装のカラーリングも アレンジしたものではなく純正の色使い。スイングアームもセミワイド仕様で最大160のリアタイヤが装備できるの なら良しと言った仕様である。

最近はこのノスタルジック路線か、前後17インチホイールのスポーツバイク路線の どちらかで、この二極化は2020年頃から強く分かれ出している。どちらにも良さがある訳だから好みのスタイルで 製作すれば良いと思うし、そもそもRCMはオーダーメイド性を伴わせたコンプリートバイクなのだから尚更だろう。 とは言え、ここぞと言う時に調子を崩したり、速度アベレージが上がった時に不安定になる車体は嫌なもの。この RCM-601はそう言ったネガな要素だけは払拭しておきたいと、随所に最新鋭パーツを迷わず取り入れている。

FフォークにOHLINS正立を用いた"18インチ用ExMパッケージ"や"ヨシムラTMR-MJNキャブレター"などが 正しくそれで旧時代と新時代のハイブリッド仕様になっていると言えるだろう。内燃機加工セクションはディンクスが 全てを担当。ピストンもベーシックな1mmオーバーサイズながらDiNxオリジナル鍛造ピストンを組み込んでいる。 エンジンオーバーホールは何と言っても内燃機加工精度ありきだから、ここは妥協の余地無しである。

また夏場の 過酷なシーズンでも垂れる事のないよう大型オイルクーラーコアを装備。そしてそこにオイルを満充填できるよう、 トロコイドオイルポンプKITを採用して万全な温度管理を実現させている。KZ1000をベースに当時のイメージは 残しつつ、それでも大きく手が加ええられた仕様となっており、これから距離を重ねて行く中で更なるアップデート プランを楽しんで行ける、そんなRCMである。