RCMにはオーナーとなる方からオーダーを頂いて製作する車両以外に、サンクチュアリーのスタッフ主導の元に オーナー不在で製作されるRCMクラフトマンシップが存在する。このRCM－472はそんなクラフトマンシップと して製作されたもので、各部の仕様が最初からアップグレードメニューとなっているデモンストレーション車両である。

アップグレード仕様であるだけに採用された個々のパーツは妥協なきものばかりで、見た目にも時間とコストが 掛けられて造られた印象を感じさせられる一台である。実際の走行フィールもノーマルZ1とは大きくかけ離れた もので、加速・原則・旋回性と、およそスポーツバイクに求められる動性能は格段なレベルアップを果たしている。 フレームはサンクチュアリーオリジナル補強ステージⅡで、前後17インチホイール化により、現代の最新スペック ラジアルタイヤを装備。

コーナリングフォースだけにとどまらず、フル加速での直進安定性や低速走行ハンドリング までオールラウンドな性能を発揮するから、乗り始めて扱いやすいなと感じる一方で、攻めに転じればスポーツ バイクとしてのポテンシャルも有しており、カスタムチューニングZに求められる資質を十二分に持った車両へと 仕上がっている。このRCM－472のオーナーは、最初に完成した状態からスイングアームのスタビライザーを 取り外してシンプルなアームとしているが、RCMクラフトマンシップ車両にオーナーリクエストを反映させる事自体は 特別な行為ではない。完成している車両に自分の好みを加えて理想のものにするのは、カスタムマシンに乗る上で 極々普通の行為であると言えるだろう。これからも長く所有して行く中でより理想の形を求めるべく、手を加えて 行きながら付き合って頂きたいと思う一台である。