世界選手権Moto₋GPやワールドスーパーバイク選手権、ワールドエンデュランス選手権など 歴々と続いて来た世界最高峰のレース。そこで走るマシンは運動性能のみ究極に追求された マシンばかりである。

見た目ではなく性能、あくまでも性能を追う事に特化したマシンであるから 使用されるパーツも厳選されたメーカーのものだけに限られている。それらはもちろんローカルな メーカー品ではない。世界で名のあるトップメーカー達のパーツであり、ブレーキならブレンボ製、 ホイールはOZレーシング製、サスペンションはOHLINS製と、選手権のマシンは今あげた名の メーカーパーツ主体で構成されている。このRCM-619のオーナーは納得ができる上級仕様の Z‐1を造りたいと切望されており、それならばと世界最高峰メーカーのパーツだけ採用する提案に 異論は無かった。

そんな逸品ブランドに見合うべく、エンジンの内燃機加工はディンクスが担当。 ディンクスのあくなき高精度追求から生み出される内燃機加工の仕上がりは組み手側にとって 安心感あるもので、事実エンジンフィーリングは絶好調を維持している。フルオーバーホール＋ アルファのスペックで組まれたエンジンだが、好調を維持できている大きな要因の一つが精密 内燃機加工の仕上がりにある事は間違いない。完成したRCM-619はオーナーの期待に応えた マシンになった事だろう。

事実、この619のオーナーは暫くしてRCM-636 KZ1000MK-Ⅱの 製作オーダーをされている。セパレートハンドル仕様丸Zの619に対し、アッパハンドル仕様の 636であり、同じ空冷Zながらもキャラクターが異なるRCMの2代目オーダーである。これは Z1があるから製作に時間を掛けて貰って良いとオーナーから依頼されたものだが、いずれにせよ RCM Zに満足して貰った事は確かである、丸と角、二台の異なるZを所有し乗り比べできるのは 更に満足感を満たしてくれる事だろう。