枯渇しつつある空冷Z系車輌。Z‐1＆MK‐Ⅱはもちろん、Z1‐Rも例外ではない。今や状態良い個体は激減してしまい、レストアを 前提にした車輌しか存在しないと言えるだろう。このRCM－379もリフレッシュメニューをふんだんに取り入れながらチューニングを 施したマシンで、完調でありながらも幅広いスポーツライディングに対応したマシンへと仕上がっている。

採用された17インチホイールは 純正ホイール流用だが、Z1‐Rノーマルの18インチホイールから比較すればバネ下重量は飛躍的に軽減。ホイール交換により採用された ハイスペックラジアルタイヤの恩恵は大きく、またワイド化されたタイヤに合わせてフレーム側への加工や補強は完全に完了しているから、 軽合金レーシングホイールへの変更も容易に出来る様になっており、今後は所有しながらアップグレードを楽しむ事が出来ると言えるだろう。

前後サスペンションは定番のOHLINS製で、OHLINS製フロントフォークは軽量化と高剛性化を果たした新型正立フォークをチョイスしている。 足回り部品を変更すると言う事は当時のノーマルパーツを使用しない事にも繋がっており、修理すら対応が難しくなる純正部品の採用率を 下げている事になる。それは今後メンテナンスをして行く上でも優位な方向になるから、シャシーのアップグレードとリフレッシュ化を同時に 施されたと言えるだろう。

このRCM－379に限った事ではないが、ベストコンディション化とスポーツライディング性の向上が、一石二鳥で 行われ製作されたマシンである。