角Z系の中でも個性的なスタイルを持つZ1‐R。そんなZ1‐Rを最新の足回りで一新し、スポーツバイクとしての 動性能と街乗りバイクとしての乗り易さの両面をベストバランスさせたこのRCM－494 Z1‐Rは、サンクチュアリーの スタッフ主導の元にオーナー不在の状態で製作される、RCMクラフトマンシップ車両としてスタートしたものであった。

製作も半ばに差し掛かった頃にオーナーが決まり、そこから概ね予定していたメニューのまま進行。このマシンにおける 当初からのコンセプトがそのまま揺らぐ事なく完成へと至る。採用された17インチホイールはイタリアの老舗ホイール メーカー O・Zレーシング。ここ数年O・Zレーシングホイールのレースでの採用率はズバ抜けて高く、ロードレース 世界選手権Moto‐GPを筆頭にMoto‐2、Moto‐3でO・Zホイールは高い評価を得ており、多くのチームが採用すると 言う逸品である。

そんなO・Zを始め、OHLINSサス、Bremboブレーキと、全てが最高峰メーカーパーツで構成された 足回りはサンクチュアリーオリジナルフレーム補強との組み合わせで、フレームと足回りを繋ぐステアリングステムと スイングアームはRCM専用に開発されたSCULPTURE製を用いて、シャシーのベストバランスを実現させている。 当然の事ながらエンジンのフルオーバーホールと吸排気系のアップグレードは、RCMとして欠かす事の出来ない重要な 要素であり、抜かりの無い仕様のそのパワーフィールは街乗りからツーリングまで幅広い扱い易さに仕上がっている。

Z1‐Rは空冷Z系の中でも、ある意味異質なハンドリング車両であるから、足回りと出力の2つのマッチングはよりシビアで あると言えるが、ノウハウと技術を持って臨めば40年以上も昔に生産されたZ1‐Rとて別次元のハンドリングへと転身する のであって、これからも長く、楽しく乗り続ける事が出来る一台である。