既にカスタムしたMK‐Ⅱを所有されていたこのマシンのオーナーですが、もう一台Z1‐Rが欲しいと言う事から RCMのZ1‐Rを!とご所望頂いた経緯。聞けばMK‐Ⅱは、前後17インチホイール仕様でカスタムしてある との事で、このZ1‐RはMK‐Ⅱと異なる車両にしたいと言う事から18インチホイール仕様を選択されました。

空冷Z系RCMの中でも18インチホイール仕様車は極めて少数派となるが、別段18インチ車が苦手で製作を してない訳ではない。むしろZ系を17インチ化するノウハウは18インチとの違いをきちんと把握できていないと 出来ない事でもあるから、18インチシャシーとは如何なるものかを理解できていて初めて可能な事である。故に 18インチ車も得意とする分野であって、シャシーディメンションを重要視した製作が行われた。車体ジオメトリを 決定するステムとスイングアームには、SCULPTURE製をチョイス。ステムKITには廃番になっていたオフセット 45mmのものを急遽1セットだけ用意し、スイングアームも同18インチ用を採用。これらを基軸に24度近辺の キャスター角でセットアップした。エンジンはライフパッケージ仕様で気使いせずに長く乗り続けらるものを追求。 それでもトルクは充分なもので、むしろ街乗りから高速まで扱いやすい特性を実現している。

18インチホイール 仕様で造ると決まった時からスタイリングはノーマルを踏襲したものにとオーナーリクエストがあり、出来るだけ ノーマルルックを反映させたが、機能パーツ、特にキャブレターや点火系、メーター回りなどは、現代の規格に 寄せた仕様にしている。ツーリングなどで実際に走った時に使い勝手の悪さや不便さ、また故障等を起こして しまってはRCMの良さも半減してしまうと言うものだから、部分的な進化系アレンジは積極的に施工している。 結果、見た目はノスタルジックだが中身は意外に新しいと言う、魅力十分なZ1‐Rに仕上がっており、個性的な 存在感をも醸し出している一台である。