RCM‐445 MK‐Ⅱを所有している高知県のオーナーはセカンドマシンとしてフルノーマルのZ1を購入したが、 445との運動性能の違いを感じて手離す事を決定。Z1を下取りにし、新たにオーダーメイドでZ1‐RのRCMを 製作する事となった。既に所有している445 MK‐Ⅱがアップハンドルのオールラウンド仕様だった事からZ1‐R の方はセパレートハンドルのスポーツ志向を追求したコンセプトで製作。

モチーフにしたのはRCM‐464 Z1‐Rの 初期スペック車で、最初に製作された時の464と外装のカラーリングも含めてほぼ同じ仕様で製作が行われた。 RCM‐464がそうであった様に、このRCM‐508もアッパーカウルをステムマウント化してセパレートハンドルに 合わせた低いカウル位置としている。ローダウンされたフェイス回りはSCULPTURE製Z1‐R用ステムKITを 用い、アッパーカウルブラケットの軽量化に加えメーターも軽量なものを採用した事からステアリング特性は非常に 軽いものに仕上がっている。そんなメーターは90年代レーサーレプリカの純正を流用した3連メーターで、ここは 464と唯一異なる部分でもある。主にスチールで構成されている重たいZ1‐R純正メーターをやめ、軽い樹脂製で 出来ている90年代車両のメーターに変更した事から、Z1‐Rの泣き所たる重量感あるステア特性は大きく解消。 Z1‐Rをスポーツ志向車として造り込むのであれば、このマスク回りの軽量化は必須科目と言えるテーマである。

もちろんローリングシャシーのアップグレードも忘れてはいない。現行のラジアルタイヤを装備できる事、これを 成し得る為にも前後17インチホイール化は欠かす事の出来ないメニューであるから、RCM十八番のシャシー コースでセットアップ。採用された足回りパーツメーカーも世界選手権Moto-GPで現役採用されている最高峰の 逸品、OHLINS製サスペンション・O・Zレーシング製ホイール・Brembo製ブレーキのコンビネーションで構成。

エンジンこそ耐久性に重点を置いたライフパッケージだが、吸排気系&点火系のマッチングから必要十分なトルク パワーを実現。スポーツライディングする上で事欠くことのない仕上がりとなっている。今回オーナーが2台目の RCMとして選択したZ1‐R。先に所有していたMK‐Ⅱ同様に角Zだが、同じ系列車であってもそれぞれ異なる個性の 2台であると言える、乗り比べ・使い分けをする事でより深みのあるRCMライフを堪能できる事だろう。