本格的に入手が困難な状況になりつつある空冷Z。中古車市場ではオリジナル状態を維持した車両の価格は以前に比べれば 非常に高騰の一途を辿っているが、大きく手を加えられたカスタム車両においても状態に関係なく高額で取引されている。 当時中古車店で購入し現オーナーの元にやってきたこのZ1-Rは、フレーム、外装、足回りに至るすべてのセクションにおいて カスタムされた状態であった。しかし思ったように扱えない乗りにくさや出先でのトラブルなどの問題を抱えており、 このまま不満を抱えたままではと一念発起して持ち込まれ製作が開始された。

ブラックの車体に目を引く外装のカラーリングはパールホワイトを採用。純正パターンのラインを用いることにより オリジナルのイメージからかけ離れないZ1-Rらしい印象となっている。 車体回りは、元々使用されていたパーツも積極的に生かしパーツコストを軽減。足回りには純正流用のホイール、 フロントフォークを使用。マッチングのいい寸法感のものをチョイスすることにより今後のアップグレードにも容易に 対応できるようになっている。

その他足回りには、OHLINS製リヤサスペンション、SUNSTAR製ブレーキディスクなど、世界的に信頼性の高いパーツで セットアップすることにより、走行時における高い安定感を実現する。 エンジン内部にはすべてリビルト加工を施してあり、ピストンはDiNx製φ71ピストンを採用。極限まで軽量化された 総削り出しピストンによるエンジンレスポンスは、いまだかつて経験できなかった加速フィールを体現できることだろう。

エンジンポテンシャルを引き出すパワーソースには点火はASウオタニ製SP-ⅡフルパワーKIT、吸気にミクニ製 TMRキャブレーター、排気にはナイトロレーシング製チタンウェルドEX+ストレートマフラーを採用。エンジンの持つ ポテンシャルを余すことなく引き出せし、扱いやすくかつスポーティーなライディングが楽しめる仕様となっている。 要の骨格であるフレームにはすでに大幅に手が加えられていた個所の寸法を見直し、最適化された数値へと変更された 上各所に適度な強化がなされ車体安定性を実現している。

各所に抱えていた問題を見事に払しょくしRCM583として新たに生まれ変わったZ1-R。これから長きに渡り全てにおいて 別次元となったポテンシャルを堪能することが出来るだろう。