ZRX1200ダエグのRCMはこれまでも製作されて来たが、台数は非常に少なく希少な機種であると言える。 その仕様としては、空冷ZやNinjaの様に生産されてから何十年も経過した車両な場合であればエンジンの フルオーバーホールが必須科目となるものの、そこまで旧年式ではない車両においては必要性がない限り エンジンはそのままにシャシーや吸排気系などを中心メニューとしてRCM化される。

もちろんチューニングを 求めているオーナーであればエンジンに手を加えるケースもあるが、基本はオーバーホール性を問われない 個体の場合エンジンまで至るケースは少ない。Ninjaのスポーツパッケージ旧TYPE‐Rと同じ考え方である。 オーナーが所有されていたダエグを持ち込まれた時は既にRCMとしてベースとなるカスタムが施されており、 O・Zレーシングホイールやナイトロレーシングのエキゾーストなど、原型としての部分はそのまま再使用する 経済的なコースとなった。故に、今回のRCM化においては唯一冷却系パーツを除いて全て一度期に進める 事になった経緯である。

エンジンと吸気系、電装系や冷却系を除いた部分だけ対象とは言え、前後足回りの 作業自体は大掛かりなセクションである。ノーマルでの車体ディメンションが良い素性であるからそこも大きく 狂わしたくはない。カスタム後に動性能が低下してしまうのはRCMとは呼べないから、単純なボルトオンでの DIYカスタムにとどまらない。あくまでもダエグが従来有している動性能を引き出す為のカスタマイズである。

カラーリングは担当したメカニックと何度も打合せした後に決定。一見ノーマルにも見える外装カラーながら、 実は捻りを加えたさり気ないペイントで仕上がっている。完成したRCM-579は、派手な部分こそ少ない仕様 ながらも存在感のあるビジュアルになっている。RCMオーナーだけで編成されるオーナーズクラブROCの イベントツーリングに参加しても遜色ないと言えるだろう。

これから長く所有して行く上でいよいよエンジンの フルオーバーホールが必要になる時も来る事であろう。その時はステージⅡとしてエンジンメニューを中心に アップグレードする事が、またそれはそれで趣のある事である。そう言う意味からも今回のRCM化は今後長く 楽しんで行くための第一歩でもあったと思う、そんな1台である。