我が愛機 RCM-001と、それに纏わるプロジェクト・・・
かれこれ数年間・・・ よもや これほど時間が掛かるとは思わず・・・
道のり中場・・・ アメリカ カリフォルニア州 サンディエゴでの修羅場・・・
異国での難関を乗り越えたと 喜ぶや、再び眼前に立ちはだかる 高き壁・・・
最後の頂きこそは 徹して臨むべし・・・
今年 初夏から、プロジェクトはフィニッシュに向けて再稼働し出しました。
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RCM-001は、アメリカ カリフォルニア州の モーターサイクルメーカー
Radical Construction Manufacture USA Inc の、モデルA16・・・
アメリカでは登録できても 日本で登録するには、国土交通省が定める
3つの試験に合格する必要性があった・・・
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その3つの試験は当然の事ながら厳しく、中でも最も懸念していたのが
自動車排出ガス項目であった・・・
RCM A16は 2016年度生産車で、2016年度基準に該当する試験を
越えねば、日本では絶対に登録が出来ない・・・
排気ガス成分 CO(一酸化炭素)・HC(炭化水素)・NOx(窒素酸化物)を
バランス良く 定められた基準値内に収める必要があり、ここの難易度が
非常に高い壁となって立ち塞がっていた訳である。
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空冷エンジンと言う悪条件下で合格値を目指すなら、二次空気導入装置を
採用する必要性があると 判断・・・
燃焼した排気ガスに外気を取り込んで、排気に含まれる未燃焼炭化水素を
再燃焼させる為、最も高熱な排気ポート内にバイパスさせるのがベストだが
A16では排気ポート直後のエキパイに、ホースエンドを繋げる構造とした。
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ゴムホースをエキパイに繋げれば、如何に耐熱性に優れるシリコン系でも
持たない為、ホースには 内径4.5mmのアルミチューブを使用する事とし
ホースエンドアダプターを取り付ける為の M12ボスを各気筒に溶接・・・
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ところが肝心のアダプターを探すも、アルミ製のものしか入手出来ず・・・
アルミの融点は600°からで、300°付近から材質変化も始まると聞くから
500°を越える排気ガスにさらすとなると、座金のクラッシュワッシャーごと
融解する懸念が頭をよぎった・・・
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そこで融点が1400°と耐熱性に優れる、ステンレス製のアダプターを
探すが、残念ながら日本国内では見つからず・・・
アメリカにはあるとの情報から 急遽 ロスに在る RCM USA Incに依頼し
エアー便で送って貰い、即入手を実現・・・
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使用するクラッシュワッシャーも銅製で、こちらも同じく融点は1000°と
高温な部位向きなので 都合が良い・・・
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ホースエンド本体はアルミだが、アダプターをワンクッション介している上に
リードバルブを経由した外気は 一方通行で流れる為、通過した外気による
空冷の効果で 問題ないと判断・・・
この後実際にエンジンを始動し、ホースエンドと そこに鉸まったチューブに
触れたが やや熱いかなと感じる程度であり、これにて二次空気導入装置は
機能する事となった・・・
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こうして完成した RCM-001を、サンクチュアリーリアライズへと持ち込み
ECUのセットアップへと 移行・・・
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ここはこの分野で、最も頼りになる道岡に託すのが 一番良いと判断し
集中したマッピング作業が繰り返される・・・
従来 私達は、環境分野におけるノウハウを 多く持ち合わせてはいない・・・
そりゃあ~ そうである・・・(笑)
いつも思わされるのだが、自分が決して望んでいない出来事に巻き込まれ
渦中で苦しい思いをした後、なぜかその経験が サンクチュアリーの先々に
おいて大いに役立ったりするから、不思議である・・・
願わくば苦しい思いなど、したくはないのだが・・・
正に今回も例外なく、そんな日々だった様に感じる・・・
今回のこの経緯に、この先何か 大きな意味が待っているのかも知れない。
そして後日・・・ 試験終了・・・
ここ数か月間は、この試験への挑戦で 気の重くなる日々が続いたが
無事 合格を果たす・・・
やがて・・・
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これまでの道のりは 形となり、終結を迎えた・・・
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プロジェクトの終結は、ある日突然 唐突の如き・・・
自分はこの瞬間を、さぞかし喜ぶんだろうな・・・ と 想像していたのだが
正直 嬉しいと言うより、精魂疲れ果てたと言うのが ホンネである・・・(笑)
未だ、ファーストステージの終わりを 迎えたに過ぎないのだが・・・
サンクチュアリー史における クライマックス編への突入を宣言してから
しばらく経つが、この騒々しい日々は まだもう少し続くのでしょう・・・
更なる詳しい情報などは、当ブログや ロードライダー誌面上において
今後 ご紹介して行く予定ですが、先ずはここまで ご協力を頂きました
関係者の皆様に この場をお借りし、感謝の意をお伝えしたいと思います。
本当に ありがとうございました。
そしてこれからの展開に、是非また ご期待下さい。
革新 RCMプロジェクト ファーストステージ 終結。
